紀伊山地の霊場と参詣道(日本) 熊野三山と熊野古道

1990年当時の那智の滝

那智大社も元々はこの滝をご神体にしたもので、修験道の中心地でもあったという。もう復旧が終わっているだろうから、落差133㍍で、華厳の滝と並ぶ名瀑のおごそかな雰囲気が戻っているだろう。


那智駅に戻る帰りがけの駄賃にちょっと熊野古道を歩いてみた。市野々小学校前でバスを降りて「市野々王子」へ。こうした住宅地の中にある王子も多いそうだ。


そこから歩いて「曼荼羅の道」に入ったが、竹林主体の山の中で、細い道が続く。「尼将軍(北条政子)供養塔」などもあるが、雨が降ると水没しそうな個所もある。2時間ほどで那智駅にたどり着いた。

神話の時代に創建された神社

新宮に泊まった翌朝は雨。新宮駅近くのホテルからブラブラと歩いて20分ほどの「熊野速玉大社」に向かった。小さな太鼓橋を渡って鳥居をくぐる。結構な雨ふりで写真がなおざりになってしまう。


りっぱなしめ縄のある朱塗りの神門をくぐると本殿前に出る。


左に拝殿、正面に鈴門という本殿への門が並ぶ。その奥に、結宮、速玉宮、上三殿、中四社、下四社と並んでいる。

熊野速玉大社拝殿と結宮速玉宮

この大社は、熊野三神が降臨した新宮市にある神倉山の霊石ゴトビキ岩(天ノ岩盾)から今の場所に移ったので、このあたりを新宮というそうだ。128年というから約1900年前、神話の時代だ。
祭神は、熊野三神のうち、熊野速玉大神(はやたまおおかみ=いざなぎのみこと)と、熊野夫須美大神(ふすみおおかみ=いざなみのみこと)を主神に、12の神々。

熊野速玉大社上三殿

日本の神は漢字表記で、使う漢字も数通りあって、読み方も今の読み方ではない場合があり、しかも違う名前を持っていて同じようにいくつも漢字表記される。漢字にも意味があるのだろうが「いざなぎのみこと」「いざなみのみこと」ならすぐ分かるのに…そんなことを思いながら、順番におまいりした。

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