キナバル自然公園(マレーシア)
コタ・キナバル~ポーリン温泉~キナバル公園植物園
オランウータン、ラフレシアに、ウツボカズラ…。珍しい動植物の宝庫が、マレーシアの高山、キナバル山(Gunung Kinabalu)とその山域に広がるキナバル自然公園(Taman Kinabalu)。2005年、行ってみた。世界3番目に大きな島、ボルネオ島。この島は、南側大部分がインドネシア、北側の一部がマレーシア、マレーシア領内に小国ブルネイと、世界で唯一3つの国に分かれている珍しい島でもある。マレーシア領には2つの州があり、以前紹介した鍾乳洞のあるグヌン・ムル国立公園はサラワク州、キナバル自然公園があるのがサバ州。サバ州の州都コタ・キナバル(Kota Kinabalu)からツアーで向かった。
ギザギザ山頂の山は今も成長中
途中、東南アジア最高峰のキナバル山がきれいに見えた。標高は4095㍍。山容がちょっと奇妙だ。
広い山頂部分に、たくさんの岩が突き出したような感じに見える。かなりごつごつしていそうだ。コタ・キナバルのホテルで買った絵葉書にはキナバル山の山頂の様子が分かりやすいものがあった。
1泊2日で登頂するツアーもあるそうなので、時間と体力がある人は上ってみては。この山を中心に、山麓を含めて自然公園になっている。
もらったガイドブックによると、キナバル山は100万年前に花崗岩が押し上げられてできたといい、氷河期に突き出ていた花崗岩以外が削られて山頂がなだらかになったため、いくつもの岩が立っている形になったという。今も年間5ミリぐらい上昇を続けているという。200年後には1メートル高くなっているかもしれない。
熱帯雨林のジャングルを空中散歩
2時間弱で、ポーリン温泉というところに着いた。「キャノピーウォークに行ってから温泉に入りましょう」とガイド。ジャングルの山道を上っていく。
キャノピーは細い釣り橋のことで、そこを歩く。キャノピーがかかっているのは、熱帯雨林のジャングルの樹木の上、高いところでは40㍍ぐらいあるという。
濃霧、というか、霧雨の感じになっていた。ポーリン温泉は晴れていたのに、ちょっと上っただけで? 大した量ではないが、じっとりと濡れる感じだ。
キャノピーは人一人がやっと通れるほどの幅しかない。すれ違えないので一方通行になっている。眼下のジャングルを見ながら歩く。キナバル山はふもとの熱帯雨林から、山頂の高山帯まで多種多様な植物が生息している。山麓のこの辺は50㍍以上の大木もある。両側をネットとロープでガードされてるのでまず落ちないとは思うが、揺れたりするのでロープを知らず知らず握っている。ジャングルの空中散歩、なかなかスリルがあって樹上を歩くのは得難い体験。眼下、遠方のジャングルの緑もきれいだ。
旧日本軍が見つけた温泉
じっとり濡れたこともあって、温泉が楽しみになってきた。ポーリン温泉はやっぱり晴れていた。この温泉、第2次世界大戦中にこの島を占領した旧日本軍が見つけた温泉だという。温泉好きの日本人としては、さぞうれしかったことだろう。
この記事へのコメントはありません。