ハノイのタンロン皇城の中心地域(ベトナム)
ハノイ鉄道駅付近~タンロン
ベトナムにあるハロン湾という世界遺産を以前紹介した。ハロン(降龍)湾は中国が攻めてきた時に龍が天から降り立って、中国を撃退し、その時に吐き出した玉が島々になったという伝説に基づいて名付けられた。
では、その龍は一体どこから来たのか。その答えが、ベトナムの首都ハノイにある。2013年、行ってみた。
ハノイ鉄道駅に近いホテルでタクシーを呼んでもらい、朝7時に出た。ハノイ市内半日ツアーを申し込んでいたので、出発の9時までに戻ってこないといけないから時間的には綱渡りだ。
「タクシーはホテルで呼ぶのは大丈夫ですが、街を走っているタクシーは遠回りするのがいるので気をつけてください」と従業員に言われ、ますます綱渡りのようだ。
「タンロン城(皇城)」(Thăng Long)に向かった。世界遺産に登録されたばかりで、まだガイドブックや観光パンフレットにもあまり記述がなかった。場所と8時30分開門ということだけ分かっていた。「中には入れなかったら、外観だけでも」と、ダメ元と思って行った。
運転手に住所を渡し「タンロン」と告げた。10分ほどで広場のようなところに着いた。広場と道を挟んで左手の方に高い立派な建物が見える。「ホーチミン廟」だった。
「なんだ、半日ツアーでこの辺に来るんじゃないか」と思ったが、ツアーにはタンロン城は入っていなかった。当時は観光的にベトナムでもまだ認知されていなかった。
ベトナムを守った龍が昇った場所
広場に入ると、右手にはフラッグタワー、軍事博物館など軍事施設がある。
広場をはさんで反対側に黄色っぽい石造りの建物。これがタンロン城の「端門」だった。
行ってみると、門が開いていて、散歩に来たような市民が中に入っていく。「入れそうだ」と少し早足になった。時間は正確ではないらしい。
タンロン城の正面口、メーンゲートだという。説明板があったので見てみたら英語とベトナム語で書かれた注意書き。「武器は持ち込むな」「壁に落書きするな」「木に登るな」「果物を盗るな」などなどが書いてあったので注意を。
入場券売り場や案内所はなかったので、場内図の看板を写真に撮って、写真を見ながら歩き始めた。中国風なのか、ベトナム風なのか、よく分からないが、2層になった屋根は角が反り返っている。
門をくぐると、足元にガラスがはめ込まれたところがあり、その先は発掘現場。ガラスの下を見ると、古い遺跡がある。
このタンロン城、7世紀に中国の砦として築かれ、11世紀に大ベトナム国の李王朝のころから王城として使われ、19世紀にフエに首都が移るまでベトナムの首都の中心地だった。
古い遺跡の上に建物を建てていく重層遺跡になっている。「タンロン」は漢字で書くと「昇龍」。ここから龍が昇り、ハロン(降龍)湾に降りて、ベトナムを中国の進出から守った。
端門は、横から登れるので、階段を上がってみた。それほど高くないので「いい景色」とまではいかなかったが、門の様子はよくわかる。屋根は龍の彫刻で飾られている。
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