「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(日本)

博多駅~JR東郷駅~バス宗像大社~バス神湊~フェリー大島

沖ノ島という、島全体が「神域」になっている島をご存知の方も多いだろう。一般の人は立ち入り禁止で、神職1人が交代でずっと島を守ってきた。「神宿る島」から九州本土にかけて世界遺産に登録されてすぐの2018年、行ってみた。

博多からJRの東郷駅で降りて、路線バスで「宗像大社」に向かう。博多から宗像大社まで直通バスもあるようなので、時間が合えばそちらが便利だろうか。

世界遺産登録は沖ノ島と関連遺産群とある。中心は宗像大社。沖ノ島が「沖津宮」、九州本土の近くにある大島に「中津宮」、本土宗像市に「辺津(へつ)宮」の3つで宗像大社になっている。

パンフレットなどによると、大社の歴史は日本で最古級、古事記、日本書紀にも登場する。天照大神の御子神の田心(たごり)姫神が沖津宮、湍津(たぎつ)姫神が中津宮、市杵島(いちきしま)姫神が辺津宮に鎮座している。「宗像三女神」と呼ばれ、皇室、国家の守護神になっている。

辺津宮でできる「宗像三宮参拝」

さて、宗像大社の中で最も規模が大きいのが辺津宮で、総社とも呼ばれている。バスを降りて生垣沿いに歩いていくと、左手が開けて広場に出る。辺津宮の正面になる。

鳥居を2つくぐり、池にかかる太鼓橋を渡ると「本殿・拝殿」の入口の「神門」にでる。扉には皇室の菊の御紋が付けられている。

 

「禊舎」「手水舎」があるので、清めようと手水舎にいった。手水鉢の横の管から水が出ている。柄杓がないので、たぶんその水で直接手と口を清めるのだろうと思って、清めた。

本殿・拝殿は大きいのは大きいのだが、がらんとしている。本殿の中を少しのぞける。金色のものが見えるのだが、はっきりとは分からなかった。

建物は1557年に焼失し、本殿は1578年、拝殿は1590年に再建されたものだという。拝殿の屋根は「本を開いて伏せたような切妻造り」とある。平日だったので、閑散としていて、神社らしい静かさだった。

拝殿の中をのぞくと、壁には「三六歌仙」の人物絵の額が並べて掲げられていた。神社とどういう関係があるかはわからなかったが。

パンフレットに「参拝推奨ルート」がある。沖ノ島には行けないこともあって、本殿・拝殿⇒高宮祭場⇒第二宮⇒第三宮⇒神宝館とめぐると、宗像三宮を参拝したことになるというので、その通り回ってみた。

本殿・拝殿から右に出て、生垣に沿って歩いていくと「高宮祭場」が少し離れたところにある。

石壇がいくつかある。祭場と言っても「祭祀遺跡」と言った方がいいかもしれないが、かつて祭祀が行われていたであろうと思える。今もここで祭祀が行われているそうだ。

看板があるので歩いていくと「第二宮」に。すぐ隣に「第三宮」がある。第二宮には田心姫神(沖津宮)、第三宮には湍津姫神(中津宮)の分霊を祀ってある。社殿は、1975年に伊勢神宮の伊佐奈岐(いざなぎ)宮、伊佐奈弥(いざなみ)宮の社殿を下賜された建物だという。新しい感じがした。

第二宮

第三宮

最後に「神宝館」。沖ノ島で発見された千数百年前からの奉納品など約8万点が国宝に指定されて、収められている。沖ノ島は「海の正倉院」とも呼ばれている。

世界遺産登録1周年記念として「沖ノ島国宝展」が開催されていた。拝観料は800円。撮影は出来なかったが、幟にあった金の指輪はじめ、金製品や勾玉、鏡など、島への奉納品の数々が展示されていた。

遠く沖ノ島を望む場所

次に実際に行けるのが中津宮。宗像大社からバスで神湊(こうのみなと)へ行き、そこからフェリーで沖合11キロにある大島に行く。辺津宮から中津宮にも行こうと思う方は、宗像大社のバス停で降りた際に時間を調べておくのをお勧めする。

フェリーおおしま(所要25分)と旅客船しおかぜ(所要15分)があり、2時間に1本ほど、どちらかが出ている。おおしまに乗った。運賃は560円。大島での滞在時間を2時間ほど取ることにした。

フェリーターミナルから5分ぐらいのところに中津宮があり、島の反対側(北側)に沖ノ島を遠くに見る「沖津宮遥拝所」がある。帰りのフェリーの時間調整にと思い、先に沖津宮遥拝所に行くことにした。

昼時だったので、食堂で満載の魚定食を食べた後に、港でもらった大島マップを手に歩き始めた。30分かからないと言われた。

途中から雨が降り出したのは想定外だったが、ひと山越えて海にでると、海に向かって建つ沖津宮遥拝所に着く。こじんまりしている。

残念ながら、大島から北へ約50キロの海上に浮かんでいるはずの沖ノ島は、雨雲の中では見えなかった。沖ノ島への渡島が許されないため、ここで参拝することになる。晴れた日には島影を拝むことができるそうだ。

七夕伝説発祥の地でもある大島

引き返して「中津宮」へ。フェリーターミナルのすぐそば、小高い丘の上に建っている。石造りの大きな鳥居をくぐると、中津宮の境内。歩いていくと左手の川の向こうに「織女神社」と看板がある。川は天の川だという。

七夕の織姫を祀る社がそこから登ったところにあるようだ。とすれば牽牛のいるはずで、左手の道路を挟んだ丘の上に少しだけ見えるのが「牽牛神社」。ここは七夕伝説発祥の地ともいわれているそうだ。

階段を上ると中津宮の本殿・拝殿がある。辺津宮よりもこじんまりしているが、本殿と拝殿の配置は同じように見えた。

本殿は辺津宮(再建)より古い1566年に再建された。拝殿は1928年に再建されている。

大島では約2時間で、宗像大社関連は歩ける。自転車を借りるともっと速いだろう。

なお、関連遺跡群として辺津宮から遠くないところに「新原・奴山古墳群」がある。沖ノ島祭祀を行っていた宗像氏の5~6世紀の墳墓群になる。

2017年登録

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