シントラの歴史的景観(ポルトガル)
ペナ宮は「雑多な建築様式」「悪趣味な色遣い」で、シントラでは異彩を放つ宮殿。霧の向こうにうっすらと黄色い建物が見えてくる。
宮殿全体は霧で見えないが、王宮殿よりは「宮殿」らしい感じがした。ここにも英語の地図ぐらいしかなかったので、とりあえず中に入った。
この宮殿は、フェルナンド2世がドイツから建築家を呼んで1850年に完成させた。イスラム、ゴシック、ルネサンス、マヌエルとたくさん様式を取り入れた(交ぜ合わせた)。
統一性がないとも言われるが、見る側で各様式を熟知している人はそういないだろうし、事実見てもそんなに統一性がないとは思わなかった。ただ、最初に見えた黄色の建物の色は、ちょっとはじけすぎかなとも感じた。彫刻で彩られた門をくぐった。
門の装飾も、蛇がいたりライオンがいたり、球状や四角錘の突起がついていたりと「これが統一性のなさといわれるのか」とは思った。来た人が一番最初にこれを見るのだから。
テラスのようなところにでて、周りにある建物を見回してみた。「トリトンの出窓」という入口がある建物には目を引かれた。
彫刻で飾られた窓の下部を、トリトンが怖い顔をして支えているような感じ。シャコガイやサンゴの彫刻がある。
この宮殿は海をモチーフにした彫刻が多いのだという。中に入ると、フェルナンド2世(たぶん)の像が階段を見張っているような感じで置かれている。
多彩なステンドグラスとだまし絵
王宮殿同様、こちらも小さな説明板を見ながら見て回る。モザイク床の中庭をみてから、寝室や食堂など小さな部屋をいくつか通った。
壁の色が黄色や青や赤やいろいろな色。この辺も批判の対象なのだろうが、部屋ごとに違うだけなのであまり気にならない。
少し大きめの部屋に出たら、そこが「礼拝堂」だった。壁は青いタイルを中心に装飾されている。ステンドグラスがシンプルだ。秘書の部屋とかバスルームとかも出てきたが、タイル張りで豪華だ。
「アメリア女王の間」に入る。ここはちょっと趣が違う。天井から壁まで、同じデザインで飾られている。よく見ると、菊花の紋が描かれている。
日本の菊花の紋章と同じく16花弁(菊だから同じなのだろうが)。日本のパスポートにもある。日本と同じ紋章の女王なのだろうか。
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