ダンブッラの黄金寺院(スリランカ)
キャンディ~ダンブッラ
足の裏が熱い。スリランカ最大、最古の石窟寺院に2006年、行ってみた。
キャンディという街から車で2時間ほど。なだらかな黒い岩山に着く。
今は巨大な黄金の釈迦像(博物館)が出迎えてくれるようだが、当時は何もなかった。
岩山を登って寺院入口に。ここで靴を脱いで、素足になる。帽子をかぶっている人も帽子をとる。10月とはいえ、亜熱帯の太陽にさらされて、石窟にたどり着くまでの岩が熱い。
戦勝への感謝から2000年にわたって保護
「ダンブッラの黄金寺院」(Golden Temple of Dambulla)は紀元前3世紀から造られ始めた。当初は洞窟を利用した仏教の僧院だったという。
紀元前1世紀にシンハラ王朝のワラガムバーフ王がタミル人の攻撃で都アヌラーダプラを追われ、この僧院のあたりに逃げ込んだ。15年後に再起して都を奪回。その感謝を込めて、ダンブッラを寺院として保護し、発展した。
周辺には80ぐらいの石窟寺院があるそうだが、そのうち小高い丘にある5つの石窟が中心になっている。
紀元前1世紀から13世紀の同王朝ポロンナルワ時代にかけてつくられ、そのころは石窟を作りながら仏像も彫って行った。18世紀の同王朝キャンディ時代に修理を行うなど、歴代王が増改築を続けてきた。
見学できる5窟だけでも大小150体以上の仏像、王像などが収められているという。金箔も使われている。それだけ、仏教寺院として「尊い」場所なのだろう。
釈迦の足が赤い理由は
第1窟「神々の王の寺院」に入る。14㍍の金色の涅槃像がドンとあるからかもしれないが、意外と狭く感じる。ただ、涅槃像といっても薄く目を開けている。ここが一番古い石窟だという。
涅槃像の足元に、釈迦の一番弟子のアーナンダ像、頭の所には仏教寺院なのに、なぜかヒンドゥー教のヴィシェンヌ神の像がある。大きすぎて、写真は1枚で収まらない。
涅槃像の足の裏は赤く塗られている。ガイドによると、紀元前5世紀にシンハラ王朝初代ヴィジャヤ王がインドからスリランカに降り立った際に足の裏(手の平説あり)に赤土がついたことが由来らしい。スリランカでは釈迦像の足の裏は赤く塗られているという。
この石窟は涅槃像がほとんどの場所を占めており、壁画というか、天井画も描かれている。きれいな色使いなのだが、石窟内は結構暗い。
たびたび描き直されてきた壁画
第2窟「偉大な王の寺院」は広い。薄暗い窟内、目が慣れてくると、わずかな照明の明かりの中に天井や壁一面に絵や模様が描かれているのに圧倒される。
黄色(金色?)と赤色主体で描かれ、ずらっと並べられた金色の56体の仏像に覆い被さるようで、暗い中でも迫力を感じる。
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