バイカル湖(ロシア)
冬は氷点下30度を下回り、湖面は凍結する。透明度が高いだけあって、きれいなクリスタルのような氷になるという。「シベリアの真珠」と呼ばれる所以だ。湖上には車道ができ、道路標識も立てられる。
そんな冬の湖には悲劇の伝説がある。ロシア帝政からソ連に変わる頃、モスクワを脱出した帝政側の避難民120万人がシベリアを目指したが、寒さで次々に倒れ、バイカル湖畔についたのは25万人。その人たちも凍った湖面を渡る時に氷点下70度の寒波に遭って全員凍死し、春になって湖に沈んだという。いまも、湖で遭難すると発見される期待は小さいという。
シベリア鉄道に乗ってみよう
さて、バイカル湖の入口の大都市イルクーツクは「シベリアのパリ」と称され、街を歩くときれいな建物が並んでいる。
シベリア鉄道の主要駅の1つでもある。ここからバイカル湖岸鉄道という観光列車に乗って再びバイカル湖へ。
イルクーツクからスリジャンカというところまでシベリア鉄道の線路を走り、分かれてバイカル湖畔をポート・バイカルまで行く。
出発は早朝7時30分。イルクーツク駅は古そうな、かなり立派な建物。「シベリアのパリ」の玄関口だけのことはある。チケットを持っていたが、改札もなく列車に乗り込んだ。
ここからスリジャンカまで約3時間はシベリア鉄道。シベリア鉄道としてはほんの一部だ。スリジャンカからは、進行方向が逆になってシベリア鉄道と別れ、バイカル湖岸鉄道線に入る。
故大瀧詠一さんの「さらばシベリア鉄道」が浮かんだが、実は「さらば」ではなかった。
シベリア鉄道は極東のウラジオストクからモスクワまで約9000㌔超。完成は諸説あるが、同乗している湖岸鉄道ガイドの説明によると、1901年にバイカル湖周辺を残して開通、1904年にこの湖岸鉄道ができてシベリア鉄道が全線開通になったという。
さっき走ってきたシベリア鉄道の線路は後から出来たもので、いま走っている湖岸鉄道が元々のシベリア鉄道だった。
いまは観光列車が走る路線になっており、ポート・バイカルまでの間に5カ所で停車し、付近を散策する。停車すると、湖岸鉄道ガイドが付近の解説をしてくれる。
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