バイカル湖(ロシア)
残念ながらロシア語なので、一緒に行ったデニスに英語に訳してもらった。現在は使っていない石造りの橋を見せてもらったが、やはりバイカル湖の景色が一番だ。
次に止まったのが、崖と湖が織りなす景色が抜群の場所。線路は湖岸から10㍍ほど上の所を走っている。崖を下りると湖岸にでられる。
上から眺めるとさすが透明度世界一だけあって、湖底がしっかり見える。15~20㍍ほど沖は濃い青色。すぐ深くなっているようだ。
バイカル湖の水は軟らかな味がした
停車すると、だいたい20~30分ほどの散策時間がある。3つ目の駅では、古いトンネルを散策した。今は使っていないが、1904年完成、18番という番号が振られている。
中に入ると、すぐにひんやりとしてくる。Tシャツに長袖シャツでは耐えられない。もちろん照明もないので、100メートルほど進んで折り返してきた。
湖岸鉄道にはトンネル39、橋29があり、当時としては最高の技術を駆使して突貫工事でつくられた。バイカル湖の自然だけではなく、こっちも世界遺産になってもいいような気がする。今は100年以上前の旧線に並行して新しい線路が敷かれている。
4カ所目はけっこう大きな集落。ここで昼食タイムだが、時間は午後4時。列車の中では走り出してからすぐに車内では飲めや歌えやの大騒ぎだったので、もうそんな時間? という感じだ。
1時間ほどで汽笛が鳴って乗車の合図。5カ所目ではレンガ造りの壁などを見てから、湖岸に下りてみた。
「水は飲める?」とデニスに聞いたら「大丈夫。ちょっと沖に行ったほうがおいしいけどね」。沖にはいけないので打ち寄せる水を手ですくって飲んでみた。軟らかい水だ。
終点のポート・バイカルに着く。午後8時少し前。ここからイルクーツクまでアンガラ川に沿って造られていたかつてのシベリア鉄道の線路は、下流のダム建設で水没している。
駅舎は2005年の開通100周年の際に立て直された。当時使われていた蒸気機関車が展示されていた。
対岸のリストヴャンカに船で渡り、バスでイルクーツクに戻る。少し傾きかけた日を浴びた「シャーマンの岩」が、湖面から顔を出していた。
帰国後、デニスから連絡が来た。乗った日の2日後、土砂崩れで湖岸鉄道が不通になったという。危なかった。
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