天壇公園(中国)
きれいな丸屋根の三重塔が、白い3段の円形基壇の上にのっている。「3つの屋根は元々は黄色と緑もあったのですが、青に統一されました」という。空の色ということか。
ここでは豊作を祈る儀式が正月に行われていたという。真っ青な空が広がっていたことだろう。
祈年殿は高さ38㍍、屋根の最大直径が32㍍という。下から見上げると、どっしりと立っている印象。くぎは使っていない。組まれた柱には彩色がされている。
階段を上っていくとき、龍を描いた巨大な白いレリーフが印象的だ。
天を祀るために祈年殿の中には
内部をのぞくと、赤と金の柱が目に入る。「真ん中の4本が四季、その外側の12本が1年、その外側の12本が干支(えと)を表しています」とガイドが説明した。
赤い地に金で、さまざまな模様が描かれている。日本の三重塔や五重塔の主柱は建物を支えるだけのことが多いが、この祈年殿は彩色して意味づけされている。内外の壁や柱、梁にも鮮やかな絵が描かれ、さすが「天」を祀るだけのことはある。
そのほかの付属の建物なども含めて「天壇」が構成されている。北京の地図を見ると「地壇」というのが目に入った。元々天壇と地壇は「天地壇」としてつくられたが、その後分けられたそうだ。
もっと探すと「日壇」「月壇」もすぐ見つけられる。こうした「壇」がかつては9つあり、その中での「最高位」が天壇だという。
周辺には世界遺産に登録された付属の建物も点在している。
祈年殿から外に出ると、周りは公園になっていて、老人がひなたぼっこや将棋指しをしたり、子どもたちが走り回っていた。
1998年登録
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