イスラム都市カイロ(エジプト)

モスク内に入る時は、特に女性は注意が必要。手足を含めて露出が多いと判断されると、マントのような体をスッポリ覆う布を着せられる。ガイドの女性も羽織っていた。

内部は、金色を主体にしてさまざまな装飾が施されている。天井からつり下げられた巨大な円形のランプの光で、かなりきれいだ。

ガイドブックによると、このモスクを作ったモハンメド・アリはアルバニア人で、ナポレオンの占領下のエジプトを解放する戦争に参加している。

ミンバルという説教壇、メッカの方向の壁にあるくぼみ(ミフラーブ)の装飾も一見の価値がある。

ピラミッドやアブシンベルなど数千年前の遺跡を見てきた後だったので、逆に新鮮なのかも。世界遺産に登録されている建造物などは、カイロ市内に広範囲に散らばっているので、時間がある方は巡ってみては。

市民が守った世界遺産の詰まった博物館

さて、カイロに行ったら、必ず「行かなければならない」のが「カイロ考古学博物館(The Egyptian Museum In Cairo)」。3大ピラミッドのあるギザ地区に「大エジプト博物館(The Grand Egyptian Museum)」が建設中で、新型コロナウイルスの世界的感染拡大によって、開館は2021年に延期されている。考古学博物館の収められている「世界遺産」はそちらに移されるのだろう。

行ったときは撮影禁止だった。ツタンカーメン王の墓から発掘された副葬品を展示する秘宝コーナーは必見で、黄金のマスクや玉座、ベッドからサンダル、碁盤みたいなゲーム盤、装飾品などなど、見ていてため息がでてくる。スカラベ(ふんころがし)をふんだんに取り入れた首飾りがおもしろかった。

ファラオのミイラを収めたミイラ室には、例の建設王ラムセス2世はじめ、ファラオ「本人」と対面できる。数千年の時を経ているとは思えない。ただ、ミイラになったこともあるのだろうが、総じてみんな、体が小さい。猫とか猿とか、動物もミイラになっている。

そのほかにも、時代ごとに発掘されたさまざまな遺物がところ狭しと並び、突然教科書でみたものが展示されているので、気を抜けない。展示物は12万点あるという。

2011年、「アラブの春」の政変時、市民が略奪を恐れて真っ先に博物館の周りを守ったという。エジプトの誇りがそこにあるのだろう。

1979年登録

  1. この記事へのコメントはありません。