ファテープル・シークリー(インド)
「ここはゲームをするところで、台の上に皇帝と王妃が立って、人間を駒にしてチェスをしていた」(ガイド)。日本にも人を駒にした「人間将棋」がある。同じような遊びをしていたようだ。
ディワニ・カースの中に入った。真ん中の柱の彫刻が見事。その上、2階が玉座だったという。
巨大な金庫は象が守る?
ディワニ・カースの横には小さな建物がいくつかある。一番手前の建物の入口を飾る彫刻が美しい。象の鼻をデザインしたものだという。
「ここは金庫でした」という。ここにどれだけの財宝が詰められていたのだろうか。人の出入りが多い会議場の横とはけっこう大胆な気がする。象が守っているということなのだろうか。
宮殿地区の最後が「ディワニ・アーム(Diwan-i-Am)」。アーグラー城にもあった、一般謁見の建物。その前に広い庭があるので、一般民衆はここに集まって皇帝に会った。
最後と書いたが、本来はこちらが正面玄関だったのだろう。外に出ると、ここから丘を下って街につながる一本道が続いている。途中にはりっぱな門もある。
よく見ると、道の両側は崩れた建物の跡がびっしり。「このあたりに兵士や役人が住んでいた家があった」という。
そういえば、宮殿内にはそうした人たちの居住する場所がなかったので、城外に住んでいたのだろう。そうした家はほとんどが廃墟というか、ほとんどなくなっている。石材が持ち去られたのだろう。
小さな街1つ分の石材ぐらいはここで調達できただろう。大きな建物を壊す面倒を避けたので、きれいなまま残っているのかもしれない。
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