オリンピア(ギリシャ)

アテネ~コリントス~ペロポネソス半島~オリンピア

2020年東京オリンピック・パラリンピックは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、2021年の同時期延期になった。2020年3月に採火された聖火は日本に到着したが、聖火リレーも延期となり、現在は福島県内に保管されている。

聖火が採火されたのは、オリンピック発祥の地、ギリシャのオリンピア(Olympia)。オリンピアの遺跡にあるヘラ神殿で、太陽の光から採火される。聖火が生まれる場所に2019年、行ってみた。

巨大な体育施設の痕跡

アテネ(Athens)から3泊4日の「クラシカルツアー(Classical tour)」を申し込んだ。残念ながら日本語ツアーはなく、乗ったのは英語とスペイン語のツアーだったが、日本語ガイドを料金追加でつけることはできるらしい。
こうした現地ツアーは日本でネット予約できる。バスやレンタカーなどで直接行くことも可能だが、本数や時間など不便なので、ツアーはお勧めだ。
アテネの地下鉄アクロポリ駅に近いホテルでピックアップしてもらい、ペロポネソス半島(Peloponnese)に向かう。ギリシャ本土と半島は細い土地でつながっていて、そこを貫くのがコリントス運河(Korinthos Canal)。
高さ80㍍、幅23㍍、長さ6343㍍。67年にローマ皇帝ネロが作り始めて、当時とほぼ同じ計画ルートで1893年に完成したというから、1800年以上もかかった。今ももちろん使われている。


ツアーでは、エピダウロス、ミケーネという世界遺産に登録された遺跡を巡って、ペロポネソス半島を横断、イオニア海に近いオリンピアに着いた。それらの遺跡はあらためて紹介したい。
翌朝、オリンピアの街からバスで10分ほどで古代オリンピア遺跡に着く。大きな建物などがあるわけではない。入口を入って緩い坂道を下っていくと、右手に長い列柱の跡が目に入ってくる。


「ギムナシオン」という、トレーニング施設だったところだという。今でいう「ジム」のことだろう。列柱の跡が続いている。その先にある「パレストラ」という闘技場の跡まで100㍍以上、柱が続いていたというから巨大な施設だ。


ギムナシオンと道を挟んで反対側、左手には「プリタニオン」。迎賓館だった。今は見る影もない。

プリタニオン(迎賓館)

古代オリンピックの起源は

古代オリンピックの起源は諸説あり、ギリシャ神話によると、4000年以上前の太古の昔に、ペロポネソス半島ピサの王オイノマオス王の娘ピッポダメイアに求婚したペロプスは、王との戦車競技で決することになり、王の戦車の車輪に細工をしたペロプスが勝ち、亡くなった王に捧げる競技会を開いたのがオリンピックの起源という。一時衰退した競技会をヘラクレスが再興してオリンピックになった。事実が隠れているかもしれないが、神話のお話だ。
紀元前8世紀に疫病のまん延に困ったこの地方の王イフィトスが、アポロンの神託を受けて、都市国家(ポリス)間の争いをやめて、農閑期の8月に競技会を始めたのが起源という説が有力になっている。アポロンの信託については、あらためて紹介する。

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