コローメンスコエの主の昇天教会(ロシア)

モスクワ市街~コローメンスコエ

2021年、初めて民間人だけによる「宇宙旅行」が行われて、無事に地球に帰還した。旧ソ連のガガーリン少佐が1961年に初めて有人宇宙飛行に成功してから60年で、厳しい訓練なしの宇宙行きが可能になったということだろか。

ロシアに宇宙飛行士が安全を願う教会があるという。教会をみれば、なるほどと納得する。モスクワ郊外にある、八角形の尖塔を持つ教会に2012年、行ってみた。

モスクワ市内から30分ほどで「コローメンスコエ(Коломенское)」に着いた。バスを降りると駐車場に地図があったので見ると、モスクワ川の河畔に広がる公園になっている。

入口は「スパスキエ門」。上部が教会の「ねぎ坊主」を表すような形になっている。

かつては宮殿の中にあった教会

季節は秋で、黄葉の真っただ中。色づいた木々の間の遊歩道を進む。左手に、青いねぎ坊主のドームを持つ「カザン聖母教会」。その先に、もっと立派な門が見えてきた。

カザン聖母教会

「宮殿門」という。14世紀ごろから皇帝の離宮になっていたそうで、17世紀から18世紀にかけて、このあたりには宮殿があった。「石造の教会と、宮殿など7つの木造の建物がありました。釘を使わずに250部屋以上ある大きな宮殿だったそうで、皇帝たちの別荘でもありました」という。

サンクトペテルブルグを造ったピョートル大帝のころのお話。大帝の2女のエリザベータもここで生まれたという。サンクトペテルブルグに都が移り、大帝の死後、エカテリーナ2世のときに、宮殿ほか木造の建物は壊され、石造の教会が残された。宮殿門はその名残なのだろうか。

門を入ると、目の前に高い尖塔の真っ白な教会がそびえる。「主の昇天教会(ヴォズネセニエ教会)」。なるほど、目に入った瞬間に「ロケット」を想像する。

「実はロケットの形をしているのではありません。八角形の尖塔はロシアの伝統的な建築の1つです。でも、形がロケットなので、宇宙飛行士の方が、ここにお参りに来るそうです。この教会は、キリストが復活したときにここに降りてくるように建てられました」とガイド。打ち上がるのではなく、降りて来るための教会という.

 

ロケットの形をしたロシア最古の石造建築

広い公園の中に、1つだけぽつんと建っているので、大きさの感じがよく分からないが、高さは62メートルある。

モスクワ大公国のワシリー3世が1532年に、イワン4世(雷帝)の誕生を記念して建てたという。ロシアで最も古い石造建築でもある。古いにもかかわらず、とにかく真っ白な壁面が印象的だ。

周りをグルッと1周できるので、すべての角度からみられる。宮殿門から時計回りに回った。

テラスのようになっている2階部分には、ロシア皇帝の双頭の鷲の紋章が掲げられている。石材とレンガで建てられているというが、壁面は白い漆喰が塗られているのか、表面は滑らかだ。

昇天教会を通り過ぎて右手にみるあたりにくると、たくさんの建物が立っている。水の塔、ゲオルギー鐘楼、小さな教会、皇帝の食事を作っていた「満腹の館」などが密集している。

旧ソ連時代に、各地に残っていた古い建物をここに移築して集めたのだという。野外博物館のような感じだ。

ピョートル大帝実物大の銅像も

この公園にはロシア各地から石造、木造建築を多数移築しており、野外博物館になっている。

出口に向かって公園の中を歩いていくと、木造の大きな平屋がある。その前には銅像。「ピョートル大帝がアルハンゲリスクで住んでいた小屋をここに移しました」という。1702年ごろの建物だ。

銅像は「大帝と同じ身長の像です」というので横に立ってみた。サンクトペテルブルグにもたくさん銅像があったが、こんなに近くで比べるのは初めて。筆者は180センチあるのでが、台座に立っている上に2メートル超えの大男では比較にもならなかった。

 

1994年登録

  1. この記事へのコメントはありません。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。