ヴォルビリスの古代遺跡(モロッコ)

18世紀の大地震で倒壊したローマ遺跡

街の中心部に入っていく。列柱が立ち並んでいる。「キャピトル」「「ジュピター神殿」と呼ばれる。立っている柱は地震で崩壊していたものを修復した。

キャピトルに並ぶ石柱

ジュピター(ユピテル)はローマ神話で天候をつかさどる神。オリーブやブドウの産地とかかわりがあるのだろうか。いまはコウノトリの格好の営巣場所にもなっている。
隣接して、太い柱とレンガでできた壁がある。こちらは「バジリカ礼拝堂」といい、道を挟んで「フォーラム」という建物がある。
「このあたりには、裁判所、集会所、市場が集まっていたといわれています」という。2世紀ごろの建築で、こちらはかなり頑丈そうだ。

バジリカ

中心部から少し離れて「カラカラ帝の凱旋門」が立つ。ローマにカラカラ浴場がある、あの暴虐で知られているカラカラ帝だ。3世紀ごろのものだという。

カラカラ帝の凱旋門

凱旋門近くに「おもしろいところがあります」と連れて行かれたのが「娼婦の館」。行く先を示すマークの形は、やはりあれだった、といえばだいたい想像がつくだろうか。トルコのエフェソスのローマ遺跡でも似たようなものを見たが、発想はおなじようだ。古代ローマ時代では決まり事だったのかもしれない。

娼婦の館の標識

この凱旋門から、街のメーンストリート「デクマヌス・マクシムス通り」が伸びる。その左右にたくさんの家が立ち並んでいた(と思われる)。もう床や基礎部分しか残っていない家も多いが、床にモザイクが残る家が多数ある。
「デサンターの家」にあるモザイクは必見だ。デサンターは2頭の馬を飛び移りながら走らせる人もことで、ローマ時代のサーカスの出し物だったという。

デサンターのモザイク

「列柱の家」は、丸い池(プール?)の周りを「3種類のタイプの柱(ドリス、イオニア、コリント)が囲んでいます」という。ここもそうだが、名称の多くはあとから付けたようだ。


時を超えるモザイクのすごさ

このあたりからモザイクのある家が続く。瓦礫をどけて最近発見されたという「漁師の家」や、ギリシャ神話のバッカスを描いた「騎士の家」と残されているモザイクを見て歩く。

  1. この記事へのコメントはありません。