ラパ・ヌイ国立公園(チリ)

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「モアイ像をみたい」。一番近い陸地(南米チリ本土)からでも3700キロ、タヒチからは4000キロ離れている島に2002年、行ってみた。

イースター島の方がわかりやすいかもしれないが、現地の言葉で「ラパ・ヌイ」(Rapa Nui)。大きな陸地を意味する。全周約60キロというから、どちらかというと小島の部類だが、初めて住んだ人には大きく感じられたのだろう。

日本から12時間ほどのタヒチで1泊して、そこから約10時間かかった。それでも、南米回りよりは時間的にはずっと速い。入国したときスタンプはスペイン語で「Isla de Pascua」となっていた。Pascuaは復活祭(イースター)のこと。

マタベリ空港

ラパ・ヌイのマタベリ空港滑走路は、かつてスペースシャトルの緊急着陸に使用できるようにつくられたという。シャトルに異常が起きたときに「このあたりにはここしか着陸できるところがない」からだ。いわばNASA公認の「絶海の孤島」といえる。

総倒れのモアイ

モアイ(Moai)というと、うつろな目で中空を見つめて立っている…。そんな印象が強いが、現物は違う。「アフ・ビナプ」で初めてお目にかかったモアイは、すべてうつぶせに倒れていた。

フリ・モアイ(モアイ倒し戦争)の結果だとガイドは言った。16~17世紀に起こった支配階級耳長族と被支配階級耳短族の戦いで、耳短族が耳長族の象徴ともいえるモアイをすべて倒したという。

アフとは何か

ちなみに「アフ」(Ahu)はモアイを立てる石組みの土台で祭壇の役目をしている。土台の周りには小さな石をたくさん置いて線を引いた「境界」があり、そこから先は立ち入り禁止になっているので注意が必要だ。

小石が並べられたところからアフ

モアイの写真を間近で撮ろうとしたりして、境界の中に入ると、ガイドはじめ近くにいる島民から一斉にブーイングが起こる。駐車場で土産物を売っている人の中には、怒った表情で駆け寄ってくることもある。

先祖の墓に土足で踏み入るというのは万国共通、とても恥ずかしいことなのでご注意を。台座に上ってモアイと並んで写真を撮ろうなどとは考えない方がいい。

フリ・モアイの激戦地「アフ・バイフ」でもモアイはうつぶせに総倒れ状態。うつぶせに倒したのは、目の魔力を恐れてのことだという。本来は白い目がはめ込まれていたが、これももちろん壊された。

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