ナスカとフマナ平原の地上絵(ペルー)
リマ~ピスコ空港
「ナスカの地上絵(Lineas de Nasca)」を見たいという人はたくさんいるだろう。私もその一人だった。テレビ番組でも見たが、とにかく1回、現物を見ないことには。ということで2013年、行ってみた。
ペルーの首都リマから南米大陸の西側を南北に走るパンアメリカン・ハイウエーを南下して6時間以上、ピスコ(Pisco)という街の小さな空港に行った。
空港では体重を量り、番号札と地上絵マップのパンフレットをもらって、順番待ちをする。セスナ機は乗客10人乗りで、左右の窓側に5席ずつ、全員が窓側に座る。体重でバランスを取るのだろう。
奇妙な日本語のアナウンス
搭乗前にガイドから飛行中のアドバイス。「サングラスをしている方が絵はよく見えます。カメラを見すぎると酔いやすくなります。まだ見つかっていないものがたくさんあるといわれているので新しい絵を発見してください」。
聞いたところでは、旋回を繰り返すので、ほとんどの人が酔うということだった。乗り物酔いの経験はほとんどない(いつも酒に酔っているからだともいわれるが)ので、三半規管の強さを発揮したいところだ。
飛び立つと、下にはきれいに区画された畑。遠くに灰色の大地が見える。30分ほど飛ぶと、機長の日本語でのアナウンスが流れる。
「OK、オトモダチ、クジラ、ミギ、ハネノシタ、ミギ、ハネノシタ」。機体を右に傾け、右側の座席から地上がはっきり見られる。行き過ぎてから旋回して戻り、今度は「オトモダチ、ヒダリ、ハネノシタ」となる。
地上絵の上で8の字飛行を繰り返すことになる。高度はパンフレットによると1860フィート(ft、約560㍍)。東京スカイツリーの展望回廊の少し上ぐらいから地上を見た感じになるのだろうか。
意外と小さく見つけにくい
さて、最初に「クジラ」。サングラスをしていたが、どこにあるのか、分からない。写真などで見てきた赤茶けた地面に白い線が引かれていて簡単に分かると思っていた。
太陽の位置や光線の関係もあるのだろうが、地面は白っぽい灰色。しかも、水の流れた跡や車のわだちほか、たくさんの無関係な線もあり、そっちの方が目立つ。
どこにあるか探せず、ちょっと焦りながら、しかたなくカメラを向けて何枚か撮ってみた。数打ちゃ当たるだろう。写真を撮った後、もう一度目を凝らすと、クジラの地上絵が小さく見える。
全長は63㍍、クジラだけではなく、別の地上絵も描かれているようにも見える。
「宇宙に向けたメッセージ」とも言われていたので大きいものかと思ったら「小さい」というのと、ナスカの大地は上空からは灰色で線がわかりにくいというのが、1つ目の地上絵を見た印象だった。
地上絵の大きさや色への先入観をまず取り払おう。「ハネノシタ、サンカク」とアナウンスされる。
サンカク? 地上にあるのは大きな三角形というか、矢印というか、これも地上絵の1つ。こちらは大きかった。
宇宙人、サル、イヌ…次々現れる
また機長の「OK、オトモダチ、ミギ、ハネノシタ、ウチュウジン」とコールが始まる。
黒い岩山が見える。その山腹に、テレビなどで見慣れた「宇宙人」の地上絵。これは黒っぽい山肌と線のコントラストがはっきりしていて見つけやすかった。
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