カジュラホの建造物群(インド)
趣が違う東の寺院群
少し離れたところに「東の寺院群」がある。こちらはジャイナ教とヒンドゥー教の寺院がいくつか残っている。
3つの寺院が固まって残る一角に行った。「パルシュワナータ」、「アディナータ」、「シャンティナータ」各寺院だ。
パルシュワナータ寺院は11世紀中ごろにできたジャイナ教寺院。ジャイナ教はヒンドゥー教から分かれた宗教で、詳細は他に譲るが、ティルタンカーラ(聖人)を信じ、その1人のパルシュワナータを祀る。壁面はやはり無数の彫刻で飾られている。「踊り子」は生き生きとしていて今にも動きそうだ。
3本の矢を持つ「カマトカラティ」は愛の神。キューピッドのようなところか。愛を矢で射止めるという発想は、どこにでもあったのだろうか。
角には死神「ヤムラージ」と閻魔「カーラベヘロ(シヴァの化身)」と強面が並んでいる。
パルシュワナータ寺院の裏手にあるのがアディナータ寺院。初代の聖人アディナータを祀る。
こじんまりした塔が残るが、壁面には牛の神や天女像が彫り込まれている。さらに奥の白い壁のシャンティナータ寺院は少し新しく感じた。
いまも生きるジャイナ教寺院
最後に至聖所と呼ばれる入り口近くにある白い建物に入った。靴と靴下を脱いで裸足で入る。ジャイナ教出家者の禁戒の1つは無所有で、中でも裸行派は服も着ない。
裸体の聖人像がたくさん置かれていたが、文字が読めずよく分からなかった。黒い聖人はたぶん「パルシュワナータ像」。この寺院群は今でもジャイナ教信者が参拝に訪れる「生きた寺院」でもあるという。
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