チトワン国立公園(ネパール)

カトマンズ~ソウラハ村~チトワン国立公園

象に乗って、サイを見る。こんなことができる自然公園がネパールにある。2011年、行ってみた。
朝、ネパールの首都カトマンズを出発。「トリヴバンハイウエー」を走り、途中から山道に入って約4時間。昼過ぎにチトワン国立公園(Chitwan National Park)の入口に到着した。目の前に大きな川と草原、水田が広がっている。
拠点になるソウラハ村(Sauraha)へ入る橋の手前でストップ。ここで、公園に入るチケットを買う。川の中には黒い動物。水牛だった。

ソウラハ村入口。川に水牛

ホテルにいったん荷物を置いて、ソウラハ村のメーンストリートへ。繁華街のT字路にはかなりリアルなサイの像が置いてある。野生のサイを見られる場所なのだということが感じられる。

生活に溶け込み大切にされている象

道を歩いていると、向こうからでかい象がのんびりと歩いている。道の脇によけて見送った。この街では象は生活に溶け込んでいる。


夕方、ボートサファリに行った。公園内を流れるラプティ川の支流を細長い10人乗りのボートで下る。日本のように船頭は竿1本で操る。
この時期はダサインというネパール最大のお祭り中で人手が足りず、素人船頭だったらしい。すれ違う船に移ろうとして川に落ちたり、浅瀬で竿を取られて流してしまって他の船からもらったり、そっちの方がおもしろかった。


さて、ゆったり進むボートから左右を見ていく。岸に出てきた孔雀のほか水鳥たちにはたくさん出くわす。「ワニがいるそうです」とガイド。船頭が指差す方向にワニがいるようだが、遠くてよくわからなかった。
船頭は立っているので見えるのかも。一応、その方向の写真を撮ってはみたが、よく分からなかった。

このあたりにワニがいるというのだが…

下船すると、そこは「エレファント・ブリーディング・センター」。象の繁殖を行っており、母象と子象が小屋で生活している。食べ物をもらえると思ったのか、小象が柵のところまでやってきて鼻を出してくる。


象がぶつかって鉄パイプでできている柵がグニャッと曲がったところもあるので、小さくてもご注意を。ここで育った象が、観光用や労働用に使われるのだろうか。間近に象と触れられる場所ではある。

象の背中に揺られてサイ探し

翌日、いよいよ「サイとの対面」を目指して、象サファリへ。公園内のジャングルは車では入れない。「象には他の動物が襲ってこないので」とガイドがいうように、ジャングルへの足は象になる。
「象乗り場」には、3㍍ほどのタラップ?があり、象の背中に取り付けられた四角い座席に足を外に投げ出して座る。1頭に4人と象使い。象使いは特殊な言葉で象と会話しているという。


出発すると、意外と安定感があり、速い。ただ、踏む出すごとに揺れ、方向を変えるときはかなり揺れるので、カメラで写真を撮るのはは結構大変だった。
ジャングルに入ってすぐに、樹上のサルに。遠くてチラッと動いているのしかわからなかったが。湿地であろうが、草むらであろうが、お構いなしに象は歩いていく。


いきなり、象が甲高い声を発した。近くに何かいるらしい。象使いが辺りを見回しながら探すと、2㍍ほどの背丈の草が生い茂った一角に白っぽいものがみえる。鎧のような形が見え、インドサイの背中、尻だとわかった。
すぐ近くまで寄った。象使いの呼びかけで、一緒に出発した他の象も集まってきたためか、インドサイは頭を茂みの奥に突っ込んだままじっと動かず、胴体をみせているだけ。生い茂った草越しに、角の生えた頭もちらちら見える。


しばらくとどまっていたが、象がしびれを切らしたか、象使いが方向を変えてまた歩き出した。残念ながらインドサイの全体をはっきり見ることはできなかったが、自分でもうれしくなっているのがわかった。


さらに奥へ進むと、広場のような湿地と草原にでる。このあたりでは多くの鳥などがみられるそうだ。すぐに3、4羽の孔雀の群れ?(家族?)に出遭った。きれいな七色のキジのような鳥がいたので聞いてみたら「野生のニワトリ」だという。家禽とは違って鮮やかないでたちだった。
サギのような鳥も頻繁に見かけた。ジャングルでは鳥の鳴き声だらけなので、よく見れば、公園内に500種類いるとされるうちのいくつかはみつけられるのだろう。

銃による狩猟の場から保護の場へ

チトワン国立公園はネパール南部にあり、インド国境に近い。マラリヤの発生域だったため人間が入り込めなかった場所だったが、マラリヤ撲滅とともに第2次世界大戦前までは外国からの来賓を狩猟でもてなす場所になっていた。
象を使ってベンガル虎や豹、インドサイなどを追い立てて、ただ狩るためだけに大量に射殺していたという。
ホテルには何十頭もの虎や豹の毛皮や何十本もの象牙を前に得意げに銃を抱えてポーズをとる人たちの古い写真が何枚も飾られていた。銃を肯定する人は使う側の問題というだろうが、こうした無用の虐殺を見ると、銃の発明自体が地球には不必要だったのではという気になる。
いまや絶滅危惧種になっているそれらの動物たちを保護するために、1973年に国立公園となった。かつては王室のもので公園名に「ロイヤル」と冠されていた。まだベンガル虎や豹などは数が少なく、警戒心もあるため、象サファリで見られることはほとんどないという。
象使いは時折、「象語」で象を止め、地面に下りていく。落ちているビニール袋やペットボトルなどのごみを回収していた。自然保護の精神が行き届いている公園だった。

(1984年登録)

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