カナディアン・ロッキー(カナダ)
ボウ峠でバスを降り、山道を散策がてらブラブラ歩くと、眼下に青い湖が現れる。「ペイトー・レイク(Peyto Lake)」で、光の加減によっては鮮やかな水色に変化する。
展望台になっており、記念撮影には絶好のポイントだ。
カナディアン・ロッキーには、青い水をたたえた湖が点在する。湖の色は「氷河の中にあるマウンテンフラワー(岩粉)の量が影響している」と、ガイドが説明した。多いと乳白色に、少ないと青みが増すという。細かな粒子が光の反射を左右し、それぞれ独自の色を生み出しているようだ。
バンフに戻る途中、もう1つ有名な氷河が見られる。山腹に張り付くようにある「クロウフット氷河(Crowfoot Glacier)」。
カラスの足のような形をしているところから名付けられた。もともとは3本の細長い氷河が分かれて流れ出ていて、3本の指のようだったというが、すでに一番下の氷河がなくなって指は2本に。これも地球温暖化の仕業のようだ。
その下に青い水をたたえるのが「ボウ・レイク(Bow Lake)」。バスの中からでも、そのきれいな色は目に焼きつく。
宿泊先のバンフの街に入る前、独立峰といってもいい「キャッスル・マウンテン」が車窓から見える。カルガリー方面から来るルートでは、カナディアン・ロッキーの玄関口にあたっている。
名前の通り、中世ヨーロッパの城のような印象を与える。なんでも、米大統領アイゼンハワーに敬意を表して「アイゼンハワー山」と命名しようとしたが「大統領が命名式をゴルフで欠席したのにカナダ側が怒って今の名前になった」とガイド。山容をみれば「キャッスル・マウンテン」がふさわしい気がした。
翻訳違いから生まれた名の滝
翌日、カナディアン・ロッキーを彩る水の景色を巡った。
早朝に行ったのが「エメラルド・レイク(Emerald Lake)」。その名の通り、深い青緑色の湖水をたたえている。本線道路からは少し離れ、ほとんど観光客がいなかったので、あたりはシーンとした静けさに包まれ、自分の声も響きそうだった。
カナディアン・ロッキーの歴史を説明してくれるガイドがよく口にするのが、ヘクターとウィルソンという、2人の探検者。そのヘクター氏が思わぬ命名者になったのが、エメラルド・レイクから近い「タカカウ滝(Takakkaw Falls)」だ。
ネイティブアメリカンの案内で訪れた際に滝の名前を聞いたが、滝を見た感想を聞かれたと思ったネイティブアメリカンが「タカカウ(なんて素晴らしい)」と答えたという。
確かに、豪快な滝だ。滝の近くには川の流れで岩が削られ、橋のようになったナチュラルブリッジが不思議な姿を見せている。
山脈を彩る水の光景
「神秘の湖」と言われる青みがかった緑色をした「レイク・ルイーズ(Lake Louise)」は有名な湖の1つだ。正面にあるビクトリア山から氷河が下っており、その水をたたえている。湖畔のホテル、シャトー・レイク・ルイーズもよく知られている。
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