ソチカルコの古代遺跡群(メキシコ)
メキシコシティー~ソチカルコ
メキシコにはマヤ、アステカはじめ古代文明のピラミッドが数多く残されている。その中の1つ、あまり日本では知られていない「花の家」と呼ばれている遺跡に2007年、行ってみた。
メキシコシティーから車で2時間弱。フリーウエーを通って、霧に包まれた峠を越えて、ピラミッドが点在しているという山の稜線に、ホームステイ先のマリオ、カルメンのカスティーヨ夫妻に連れられてきた。
「花の家」の意味を持つ都市
駐車場がある一角に小さな博物館がある。マリオさんがいろいろ説明してくれたが、身ぶり手ぶりのスペイン語で多くはなぞのまま。ただ「フローラ」が何度もでてきたので、花が関係あるのだろう。
解説文とガイドブック(あまりページはないが…)を併用して分かったのは、ソチカルコ(Xochicalco、ショチカルコ)は、現地のナワトル語で「花(xōchitl)の家(calli)のある場所(co)」を意味しているという。
650年から900年ぐらいまで栄え、トルテカ文明と呼ばれる。テオティワカンを築いた文明とアステカ文明の中間あたり。周辺の多くの都市の中心だった。原因は不明で破棄された後は、だれも住んでいなかったという。
出土品に、山の中なのになぜか、どう見てもヒトデの形(星の形?)をした焼き物もあった。海のある都市との交流があったのだろうか。
ピラミッドを登ったり下ったり
「これから、登ったり下りたりの連続になるので、覚悟してね」とカルメンさん。天気はいいのでハイキング気分で歩き始めたが、言われたとおり、登ったり下りたりしながら丘の上を目指す。
周辺の3つの丘に遺跡が点在しており、最盛期は城壁で囲まれていて、都市全体がピラミッドのような形になっていたという。
まずは広い広場にでる。「石碑の広場」というらしい。確かに絵?文字?が描かれた石碑が立っている。前には小さな神殿もある。
そして隣には大ピラミッド。背後に丘があるので平たんな印象があるが、その脇にある階段を上ってみると、かなりの急傾斜を持っているのが体感できる。
左右を見渡しながら、階段を上った。残念なのはテオティワカンでもそうだったように、コンクリートでの修復が目立つ。
ピラミッドの上は平坦で広い広場になっている。小さなピラミッドというか、神殿も点在している。ピラミッドの中にピラミッド、というような造りになっているらしい。
レリーフがぎっしり、羽毛のある蛇の神殿
その中で、小ぶりの台形状の建造物がこの遺跡のハイライト。「ケツァルコアトルの神殿」と呼ばれる。
赤っぽい石組みで、4つの壁面にびっしりとレリーフが彫り込まれている。
ケツァルコアトルは「羽毛があるヘビ」。テオティワカンでも神としてあがめられており、マヤでは「ククルカン」とも呼ばれている。中央アメリカの神は継承されていくものらしい。
人物や文字、模様が複雑に組み合わさって彫られている。レリーフはかなり深く、しっかりと彫られているせいか、保存状態は非常にいい。あからさまなコンクリートの修復も見えない。
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