サーンチーの仏教建造物群(インド)

ジャンシー~寝台特急列車~ボパール~サーンチー

日本の神社に必ずと言っていいほどある鳥居。その鳥居の原型になったのでは、といわれるものが、インドの仏教遺跡にある。2016年、行ってみた。

カジュラホの寺院を見た後、ジャンシーという駅から、ムンバイ行き寝台特急で移動。まだ陽がある夕方の乗車なのだが、日本のようにベッドの上げ下げはしないのか、既にベッドの状態だった。カレーの「駅弁」で夕食をとり、夜遅くにボパール(Bhopal)という駅で降りて1泊。翌朝、車で「サーンチー(Sanchi)」に向かった。

鳥居の原型にみえてくるが…

駐車場から参道? を歩いていくと、前方に大きな饅頭型の建造物。「ストゥーパ(Stupa)」と呼ばれる。本来は仏陀(Buddha、釈迦)の骨(仏舎利)などを安置した仏塔。日本では「卒塔婆」となって、故人を供養する細長い板になっている。

左手が「第3ストゥーパ」、奥が「第1ストゥーパ」。同じぐらい見えるが、配置図のように。第1ストゥーパの方はかなり巨大だ。

メーンの第1ストゥーパに行く前に、第3ストゥーパに寄る。直径15メートル、高さ8.3メートル。鳥居のようなものがストゥーパの前にある。

日本の鳥居だと、2本の柱と横木で作られている。横木は一番上が「笠木(+島木)」、2本目が「貫(ぬき)」というそうで、たいていは2本。こちらは石造で高さ5メートル。名称は分からないが横に3本渡されている。横柱とでもしておこう。柱も横柱も彫刻が施されている。日本で鳥居にこんな彫刻はしないが、形としては鳥居だ。

トラナ(Toraṇa、トーラナ)といい、サンスクリット語の「塔門」を意味する。鳥居の原型という説があり、確かにパッと見たときに「あ、鳥居がある」と思う。

ただ、ここは仏教遺跡であり、日本の鳥居は神社にあるので少し疑問にも感じるが、日本に伝わってきたときに「ありがたいもの」として、形をまねたというのはあるのかもしれない。

第3ストゥーパにあった小部屋からはシャリプトラとマウドガリヤーヤナという2人の高僧の舎利容器が見つかり、小さな骨や真珠、水晶、ガーネット、ラピスラズリなどの宝石類が収められていたという。

ブッダにまつわる説話の彫刻

第1ストゥーパに向かう。順路では北側のトラナから見ていく。直径36.6メートル、高さ16.46メートルある。石積みで曲線を描いている。北トラナ(ノース・ゲート)は2本の柱の後ろを壁のようなもので支え、中への誘導路のようになっている。

北トラナは紀元前1世紀ごろに造られ、ストゥーパへの入口だった。高さは8.5メートルほどで、柱、横柱とも彫刻がびっしり。

「馬に乗る釈迦」の彫刻

「ジャータカ(Jataka)という、ブッダが生まれる前の世界、ブッダの生涯、仏教の歴史などの説話、物語が題材になっています」とガイド。

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