古代都市ポロンナルワ(スリランカ)
コロンボ~ポロンナルワ
約1000年前にスリランカの首都だった街がある。2008年、行ってみた。
スリランカの現在の首都コロンボ(Colombo)から普通車での個人ツアーでポロンナルワ(Polonnaruwa)に向かう。のんびりした農村地帯の光景を見ながら4時間ほどで着く。
9月末だったが、スリランカは午後になると急に暑くなる。駐車場から遺跡に向かったが、あたりが静かなこともあってか、頭も体もボーッとした感じになる。
出迎えるように立っているのが、なぞの石立像。体をちょっとくねらせて、やしの葉に書かれていた仏典(貝葉)を両手で持っている。
主要な遺跡群とはぽつんと離れて1体だけあるといい、誰の石像かもわかっていない。王や貴族、賢人や神など諸説あるという。
すぐ近くには、かつての図書館だったという「ポトグル・ヴィハーラ」があるので「図書館の宣伝用のオブジェでは。借りた本は返そう、とか言っているのでは」と推測したら、ガイドは笑っていた。
「仏教都市」として栄えた都
大きなため池「パラークラマ・サムドラ」のほとりを歩き、遺跡地区に入る。立ち寄らなかったが、博物館が入り口からすぐのところにあるので興味のある方はどうぞ。
遺跡地区の中に入ると、遺跡が密集しており、ほとんどがレンガ積みでできている。
「パラークラマ・サムドラを作るときに掘り出した土を使ってレンガにしたといわれています」とガイドは説明した。地産地消の街だったようだ。
一応、建物などには説明板がある。たぶんシンハラ語とタミル語に英語。宮殿跡「Royal Palace」とあった。
スリランカは紀元前5世紀ごろから19世紀まで、シンハラ王朝が続いてきた。最初の都はアヌラーダプラだったが、10世紀末から11世紀にかけて南インドのチョーラ王国の侵略を受けて、ウィジャヤバーフ1世がポロンナルワに遷都した。いったんは反撃してアヌラーダプラを奪回したが、1500年続いた首都は荒れ果ててしまっており、ポロンナルワを改めて都とした。
2代後のパラークラマ・バーフ1世が仏教の普及に尽力し、寺院を数多く建てるなど12世紀には最盛期を迎え、13世紀に都を移されるまで「仏教都市」として栄えたという。
宮殿はパラークラマ・バーフ1世が造ったもので、もともとは7階建てだったという。列柱も残っており、かなりの規模だったらしい。
土足では入れない寺院群
仏教都市と言われた遺跡だけあって、寺院がたくさんある。中心にあるのが「クワドラングル(Quadrangle)」。四辺形という意味で、城壁に囲まれて、都の重要な建物が集中している。
「トゥーパーラーマ」という大きな仏堂がある。ポロンナルワでは、神聖な建物に入るときは裸足になる。靴を脱ぐところにはハイヒールにバツ印の標識があるが、女性だけではなく全員なので注意を。
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