古都トレド(スペイン)
エル・グレコの傑作があるという教会が、大聖堂から歩いてすぐのところにある。路地から見える時計塔が目印だ。
「サント・トメ教会(Iglesia De Santo Tome)」で、かつてのモスクを改修したものだという。中は撮影禁止なので絵葉書を買ってきた。入ると、正面の壁一面に「オルガス伯爵の埋葬」が飾られている。
かなり混んでいた。後ろに並び、一番前の人たちが見終わると少しずつ前に進んで絵の前に出た。15分ぐらい並んだだろうか。絵の前に来ても、そうじっくりと見るという訳には行かないので、横でガイドが早口で説明してくれた。
オルガス伯爵は14世紀にトレドの街で私財を投じて貧しい人を救った人で、埋葬に当たって聖人2人が天から降りてきたところを描いているそう。グレコ本人や息子も描き込まれている。
ベラスケスの「ラス・メニーナス(宮廷の侍女たち、プラド美術館)」、レンブラントの「夜警(アムステルダム国立美術館)」とともに世界三大名画(諸説あり)の1つという。
迫力で圧倒されるのは確かだが、マドリッドのプラド美術館でも他のエル・グレコ作品や、ラス・メニーナスも見てきたので、素人目にはどこが際立って「3大」なのかよく分からないのも正直なところだ。
旧市街全体が世界遺産に登録されているトレドの街をぶらついた後、土産物店に入った。トレドの名産は、剣と象嵌細工なのだという。多彩な剣も手に取れるように置いてあった(刃はついていない)ので、ちょっと振り回してみた。
象嵌細工の工房もみたが、細いひも状の銀を黒いブローチのようなものにたたきながら埋め込んで、複雑な模様をつけていた。職人の生きる街というのも、歴史を感じさせる。
1987年登録
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