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ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域(イタリア) エルコラーノ

低温の溶岩が街を埋めた

街中を散策する。教会や商店の跡、円形の井戸と水をためた水槽などが点在している。「アウグストゥスの神殿」という建物がある。


古代ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスの名前がついた建物は壁画で飾られている。ちなみに建物の名前は発掘された後につけたものだというので、当時そういう名前だった訳ではない。
色はかなり残っていて赤色がきれいだ。描かれているゼウスやミネルヴァ(アテナ)などギリシャ神話の神。元々はギリシャの植民地でローマ帝国に支配された紀元前2世紀ごろに街になったという。

「ゼウスとミネルヴァ」の壁画

ポンペイは火山灰と高温の火砕流に襲われて壊滅した。降り積もった火山灰は6㍍に達したといわれているが、エルコラーノの場合は数度の火砕流と「低温の溶岩が襲ってきた」(ガイド)という。
溶岩は20㍍以上も街を埋めてしまった。ポンペイほど高温ではなかったことと、それまでの火砕流で蓋をされた形になってすっぽり埋め尽くしてしまったので、建物の外観や内部の壁画の色なども残ったとされるそうだ。


さらに進むと「凱旋門」。天井は花の彫刻で飾られている。何の凱旋か聞いたが、ガイドにも分からなかった。

生活の痕跡も残っている

エルコラーノ遺跡の中でも保存状態がいいのが「ポセイドンの家」。壁画がかなり残っている。ポセイドンはギリシャ神話オリンポス12神の1人で海の支配者、古代ローマではネプチューンと呼ばれていた。港町だけに、この海神が好きな街だったらしい。


壁に描かれているのが「ポセイドンとその妻アンプトリータス」のモザイク画。色遣いも含めて、きれいに残る。現在の家にすぐに飾れるぐらいの出来映え、残り具合だ。


ワインを保管する壺アンフォラが大量に置いてある部屋もあった。裕福な人が住んでいたというのはこういうことらしい。

「当時の街は鉛の管で水を引いてきていたので水質がよくなくて、寿命も男性で40歳、女性で30代前半と長生きできなかった。水質が悪いので、代わりにワインを飲んでいた」とガイド。水代わりにワインを飲む人は昔からいたようだ。ただ、アルコール度数は低く「5%ほどといわれています」という。
繁華街だったと思われる交差点にきた。角にはポンペイにもあった「居酒屋」風の店がある。

かつての居酒屋?

貴族の別荘地とはいえ、貴族だけが住んでいたわけではないだろう。大衆のたまり場だったのだろうか。テーブルに埋め込まれた甕には「ワインやオリーブオイルが入っていたとされます」という。

近くには透明のカバーがかかっていたが「当時のメニューです」という絵が壁にある。ワインの種類を絵で描いていたようだ。

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