紀伊山地の霊場と参詣道(日本) 高野山


高野山は、真言宗を開いた空海が修行の場として816年に嵯峨天皇からこの地を賜ったのが始まり。翌年から伽藍を作り始めた。当時の建物は残っておらず、空海死後に多くの建物が建てられた。
いまも117の寺があり、寺にかかわる人たちが生活する宗教都市になっている。人口3000人ほどで、中心部は十分歩いて回れる。市街地で軽く昼食を取った。
全山が世界遺産ではなく、その中から歴史的価値のあるものが登録されている。

国宝の宝庫、金剛峯寺

次に金剛峰寺に寄る。真言宗の総本山で、いまも座主が住む。


いまは修行の中心は道場の「壇上伽藍」だが、もともとは金剛峰寺が高野山の総称だった。


ブラブラ歩いて現在の中心地、壇上伽藍に向かう。途中に「高野山霊宝館」があるので、ぜひ立ち寄ろう。
高野山には国宝23件ある。絵画、工芸、書跡、彫刻の21件は霊宝館に収蔵、ほかに先に見た「金剛三昧院多宝塔」と「金剛峰寺不動堂」の2つの建物がある。
霊宝館には約5万点の収蔵品があるという。霊宝館自体も1921年(大正10)建造で現存最古の木造博物館建築として文化財になっている。
高野山単独でも世界遺産になりそうなのに、と思いながら鎌倉時代に運慶が造った国宝「八大童子立像」などを見る。
出て少し歩くと、壇上伽藍に着く。配置図を見て、どうせならと、まずは国宝で世界遺産の不動堂に直行した。
1197年に建立され、違う場所にあったが壇上伽藍内に移築された。鎌倉時代の様式を伝え、霊宝館で見た八大童子立像もここに安置されていたという。

不動堂

壇上伽藍東側には、不動堂の向かい側に東塔、三昧堂、大会堂、愛染堂などが並ぶ。

愛染堂(右)と大会堂

よく写真などで見る高さ48.5㍍の赤い根本大塔の下を通って行く。


中心に金堂。西側には弘法大師が住んでいたという御影堂や金堂、鐘楼、西塔などが立ち並ぶ。

金堂

世界遺産登録の「山王院本殿」は壇上伽藍の一番西、森の中にあった。山王院本殿は819年に創建されたといい、高野山開山とほぼ同じ古い歴史を持つ。
仏教と日本古来の天地の神の融和のため、丹生(にう)明神と高野明神を祀っている。現在の建物は16世紀に再建された。

世界遺産登録物件以外にも見どころ多数

本来ならここから入るのだろう、と思いながら「大門」まで歩いて見に行き、バスで引き返した。高野山の西の正門で世界遺産。1705年に再建されたものだという。

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