ウラジーミルとスーズダリの白亜の建造物群(ロシア)

モスクワ~スーズダリ~ウラジーミル

モスクワ郊外に、古都が環状に並んでいる。「黄金の環」という粋なネーミングをされている環に2012年、行ってみた。
この環の中には世界遺産が2つあるが、その中の1つ(2都市)は白い建物が印象的だという。
モスクワからバスでスーズダリ(スズダリ、Су́здаль、Suzdal)に夜着いた。翌朝、あいにくの雨の中を出発まで散歩した。住宅や商店の建物はそう古い感じが受けなかった。前夜は気づかなかったが、いたるところに小さな教会が点在している。

それも白亜。さすが「白亜の建物群」といわれるだけはある。地図があったのだが、キリル文字に太刀打ちできず、いったんホテルに戻った。

黒土地帯の真ん中、キュウリ長者の街

まず、スーズダリの歴史や文化の勉強から。近郊から移築した木造建築博物館で時代物の民家などを見に行った。

スーズダリの木造博物館

スーズダリは1024年に初めて文献に名前が出ている古い街で「モスクワより古く、商人の街としてできたようです」とガイド。12世紀にはウラジーミル・スーズダリ公国の首都にもなっている。
モスクワ公国に入ってから宗教の中心地となったことで、教会や修道院がたくさんつくられた。
「ウラジーミルは鉄道を敷いたので街が発展しましたが、スーズダリは馬を重要視して鉄道を入れなかったので、中世のまま残ったそうです」(ガイド)。
ロシアの穀倉、黒土地帯の真ん中にある。「ソ連時代も個人の庭で作ったキュウリを売って、キュウリ長者といわれました」と、肥沃な土壌の恩恵があったらしい。
木造建築博物館をでて、前を流れるカーメンカ川にかかる歩行者用の小さな橋を渡ると「スーズダリのクレムリン(要塞、城塞)」に入る。


「ここがクレムリンの壁でした」というのは土塁。防御壁の役割はもう果たせそうもないが、この土塁で囲まれた場所が世界遺産になっている。
クレムリンというとモスクワだが、元々は城塞を意味するクレムリで中世ロシアの都市にはクレムリンがあった。なので「〇〇のクレムリン」という。
きれいな木造の教会がある。「ニコーリスカヤ教会」で、移築されてきたものだ。


先に行った木造建築博物館もそうだが、木の建物はなんとなくホッとする日本人は私だけではないだろう。木の板を細かく重ねたドームの細工が見事だ。

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