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ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アヌンツィアータの遺跡地域 (イタリア) ポンペイ

壁画が残る家

確かに歩いていると、くすんだ色はしているものの、りっぱな「都市」。ちゃんと道があり、店があり、民家があり、しかも貧富の差がはっきりしている。劇場があり、役所があり、銭湯があり…。


家の内部に残る絵画や装飾の色はあせていないし、看板などの文字もちゃんと分かる。いまそこにみんなで住んだとしても、街として機能するかもしれない。ただ…荒涼として「生」を感じない。

今は見られるポンペイの見どころ

ポンペイでは、人型の石膏を見られるという。遺跡を発掘する際に、火山灰の中にたくさんの空洞があるのに気づき、石膏を流し込んだところ、人の形になった。人だけではなく、ペットや植物などもこうした空洞になって残っていた。
時速100キロを超えるという火砕流に襲われて一瞬のうちに埋もれてしまい、体は年月によってなくなってしまった結果だという。ポンペイがタイムカプセルといわれるのが分かる。
行った当時は見かけなかったので、まだ遺跡内に展示されていなかったのだろう。博物館にあったかもしれないが、残念ながら休館だった。


もう1つ、残念だったのは「ポンペイの赤」と呼ばれる壁画が残る「秘儀荘」をみられなかった。案内されるままだったので、入らなかったのか、入れなかったのかはわからないが、2015年に修復作業が終わったというので、ぜひ次があれば目にしたい。
遺跡の周囲には掘り出されていない遺跡が相当残っており、火山灰が積み上がっているだけの場所がやたら多かった。風が吹くと、砂(灰)ぼこりがけっこうある。
行ってから30年近くたっているし、世界遺産登録もされたので、今は修復作業も進んでいることだろう。

遺跡の向こうに望むヴァスビオ火山

天気がよければ失われた街を「つくった」ヴェスヴィオ火山が遠くに見える。それにしても、あんな遠くから街一つ埋める火山灰がよくも飛んできてしまったものだ、と火山のエネルギーと脅威に驚かされる。
たぶん現代でも防ぎようがないだろう。日本もイタリア同様、火山国なのを忘れてはいけないという警鐘でもある。

1997年登録

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