琉球王国のグスクおよび関連遺跡群(日本)


久慶門を出て、外の道に。首里杜館(首里城公園レストセンター)地下の駐車場に向かって歩きだすと、右手に見覚えのある建物が見えてくる。世界遺産の「園比屋武御嶽石門(すぬひゃんうたきせきもん)」という。31年前にももちろんあった。

1982年当時の園比屋武御嶽石門

こちらは、古さ加減も変わりなかった。まあ、そのぐらいでは変わりようがないだろうが。近くに琉球王家の別邸で、池を中心とした回遊式庭園を持つ「識名園」が世界遺産に登録されている。

2013年の園比屋武御嶽石門

歴代王の墓、葬送方法は?

首里城公園から5分ほどのところに「玉陵(たまうどぅん)」がある。これは建物ごと世界遺産。琉球王朝の第二尚氏の歴代王の墓になっている。
第一尚氏の重臣だった金丸が王座について尚氏を名乗り、尚円王となってからの系譜で、血縁が変わっている。この系統が明治新政府になるときまで琉球を治めていた。
玉陵は1501年に、尚真王が父尚円王の遺骨を改葬するためにつくったという。内部は見られないので、まず展示室で成り立ちや系譜、葬儀(納骨?)や内部の写真などをみてから現物を見たほうがいい。


玉陵は、3つの建物からなり、真ん中の中室は、遺体を安置したところ。遺骨になると洗って左の東室に王と王妃、右の西室に一部の家族の遺骨が納められるという。

玉陵の東室

ここも第2次大戦で破壊されたが、1974年から3年かけて修復された。建物の上に見張り番のように立っている獅子像が、なんとなくユーモラスな表情で見下ろしている。

玉陵の西室

女性だけが入れた霊場

31年前は守礼門を見て、夜出航の宮古島行きの船に乗った。今は、レンタカーという強い味方があるので、夕方の航空便までの時間、島内を回った。
「斎場御嶽(せーふぁうたき)」に向かった。「御嶽(うたき)」は、琉球王国の祭祀を行った聖地の総称で、主に自然の中にあり、男子禁制だった。
沖縄本島や他の島々に多くの御嶽があるが、その中で最高の聖地とされるのが斎場御嶽。琉球開びゃく伝説にかかわり、神の島とされる久高島を間近に見る丘にある。
ここでは祭祀をつかさどるノロという祝女の中でももっとも位の高い「聞得大君(きこえおおきみ)」の就任の儀式が行われた。そういったことが、入場口の展示室に書かれているので、丘を登る前に知っておいたほうがいいだろう。発掘された金の勾玉や銭貨も見られる。

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