ペトラ(ヨルダン)

シークの入口

インディ父子が駆け抜けた道

シークに入った。両側の岩壁はほぼ垂直に切り立っている。元々は川(ムーサ川)が流れていて、岩壁を削って細い裂け目ができたという。今歩いているのはかつて川底だった。人工的に流れを変えて、入口で見た川ができた。岩壁には元々川に流れ込んでいた裂け目があり、堰を造って道に水が流れ込まないようにしている。

このシークの先、2㌔ほどのところにペトラの街がある。街に入るにはこの狭い道しかないのだから、天然の防御になっている。岩山の上に見張りもいたらしい。

道幅は5~10㍍ほど。左右の崖の高さは50~60㍍ほどはあるだろうか。ここがインディ父子の駆け抜けた道だ。
岩壁を見ると、地層の筋がみえ、色もさまざまあってきれいだ。主に砂岩で、かつては海の底だった。波が削ったようなところもある。

岩壁には樋のようなものが刻まれている。「ナバティア人の水利システムで、街まで水を引いていた水路です」とガイドが説明した。

岩壁には浮彫の彫刻がたくさん刻まれている。「ナバティア人が信仰していたドゥシャラ神が彫られています」という。多くは風化で薄くなっているが、道のわきに「ドゥシャラ神の祭壇」が残っていた。

ドゥシャラ神の祭壇

ナバティア人はアラブ系の遊牧民で、紀元前6世紀ごろにペトラに定住を始め、アラビア半島からトルコやエジプトへの交易路の中継地として要所に当たったことから、1世紀にかけてペトラの街を発展させたという。
くねくねと曲がりながらほぼ平坦なシークを行く。左右の岩壁や彫刻などを見ていると、あきないで歩ける。風化が進んでいるが、ラクダを引いた交易隊商の彫刻なども残っている。結婚の誓いをする岩などもある。

隊商とラクダの彫刻

「ちょっと道の右側に寄ってください」とガイド。岩壁にまた何か彫刻でもあるのかと思ったら、そのまま岩壁沿いに進む。曲がり角にきて「ここで、左に移りましょう。前をよく見て」。
数歩、左に移動すると、岩の隙間の先、突然視界が開けて巨大な建物の一角が細く見える。ガイドの演出。ペトラの街の象徴、「エル・ハズネ(カズネ)」(El Khazneh)にたどり着いた。

赤く輝くエル・ハズネ

「エル・ハズネ」が目の前にそそり立っている。午前10時ごろ、朝の太陽の光を浴びて赤っぽく染まっている。思わずため息がでる。「インディ~」で見たものと同じものが目の前にある。シーク入口から40分ほどだったが、期待感もあるのでさほど長く感じなかった。

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