モスクワのクレムリンと赤の広場(ロシア)

クレムリン~武器庫~イワン雷帝の鐘楼~ウスペンスキー大聖堂~聖ワシリー寺院~赤の広場~グム百貨店

かつて、旧ソ連の国家元首が亡くなると、赤の広場からクレムリンに黒塗りの車列が入っていき、その様子で西側諸国は「何かあった」と知る。1980年代、そんなニュースを何度か、聞いた覚えがある。
旧ソ連の「赤のカーテン」は厚かったのだろう。どんな場所なのか、2012年、行ってみた。

モスクワ川とネグリナヤ川の合流地点の小高い丘に、赤い城壁で囲まれた場所が、その「クレムリン」。中に入る門は2カ所あるといい、宝物が収められている「武器庫」に近いボロヴィツカヤ門から入った。
人気があるので、開門は午前10時だが、30分前には並ばないと、ボディーチェックが厳しいため入場はどんどん遅くなる。入ってすぐ左手に武器庫。ここから見る。

もともとはクレムリンの倉庫。18世紀初頭にピョートル1世(大帝)がサンクトペテルブルグに首都を移した際に一番丈夫な武器庫に重要なものを収めたのが、お宝でいっぱいになるきかっけだったという。なので、ほとんど武器はなく、あっても装飾された儀式用などが多い。
今の建物は19世紀半ばに建てられたもの。内部は撮影禁止。ここだけではなく、クレムリン内部の建物内は基本的には撮影禁止で、特別な撮影許可権を取得しないといけないらしい。

武器庫にあるのは金銀宝石に190カラットのダイヤ

ガイドブックによると、9つの展示ホールがあるらしいが、どこをどう回ったかよくわからない。最初に見たのは、豪華な衣装、これは多くは戴冠式に使用されたものだという。
象牙づくり、宝石をちりばめた玉座や、王冠の類など、写真をお見せできないのが残念。入り口の売店にガイドブックがあるので参照したい。
黄金の帽子は「ブーシュ」というそうで、中でも「モノマフ・ブーシュ」という、金細工に宝石で出来たものが、ピョートル大帝まで使用していたロシア王室のシンボルだったそう。「鑑定士が試しにかぶってみたら、重くて頭が痛くなったそうです」とガイド。責任の重さなのだろうか。
衣装の中には、日本の十二単のように、7枚重ね着した当時の貴族の衣装もある。サンクトペテルブルグでよく名前が出てきたロマノフ王朝のエカテリーナ2世のドレスはウエスト36センチ。戴冠式でつくった王冠は2キロの金を使ったという。着るのもかぶるのも大変そうだ。
馬車が展示された部屋では、16世紀以降、皇帝が使用した馬車や馬具などがある。これも、金細工や宝石だらけ。とにかく、金銀、宝石をやたら好きな王朝だったようだ。2階にはロシア土産でもポピュラーなイースターの卵をはじめ、さまざまな金銀宝石細工の製品があふれている。
最後にダイヤモンドルームで190カラットのダイヤモンド「オルロフ」がはめ込まれた王笏をみて終了。朝から豪勢だ。
武器庫を出て、大クレムリン大宮殿を左手に見ながら歩く。城壁越しにモスクワ市内も展望できる。

クレムリンの中には壮麗な教会群

宮殿を通り過ぎ、「ブラゴヴェシチェンスキー聖堂」と「アルハンゲルスキー聖堂」の間を入っていくと、聖堂広場にでる。金色のネギ坊主を抱えた白亜の教会建物が広場をぐるりと取り囲んでいる。

ブラゴヴェシチェンスキー聖堂(左)とアルハンゲルスキー聖堂

入ってきた方向から見ると、広場の右手に「イワン大帝の鐘楼」がそびえる。16世紀半ば、雷帝と呼ばれたイワン4世のころに完成し、高さ81メートルでソ連以前はモスクワ一の高さ保持者だったという。

広場の左手には「グラノヴィータヤ宮殿」、そして正面には「ウスペンスキー大聖堂」がそびえる。奥のほうにも金色のネギ坊主が林立しているので、まだ聖堂があるのだろう。

多くの聖堂の内部には、宗教画や彫刻で飾られているという。ウスペンスキー大聖堂に入った。扉からして豪華なものだ。ここも内部は撮影禁止なのであしからず。

ここはロシア国教大聖堂で、ロシア皇帝の戴冠式や結婚式などが行われた権威のある教会。武器庫にあった衣装を身に着けた皇帝が、武器庫にあったブーシュや王冠を授かった。
モスクワ郊外のウラジーミルにあるウスペンスキー大聖堂を模し、さらに巨大に作ったという。内部はイコンやフレスコ画であふれ「天上は天国、床は地上を表している」(ガイド)といい、ロシア皇帝の肖像が天井を支えるように描かれているそうだ。

ウスペンスキー大聖堂

著名なイコンがたくさんあるそうだが、どこに何があるのか、見分けられないほど無数の絵画に埋め尽くされている。天井からぶら下がる巨大な燭台は「収穫」という呼び名で、1812年に侵入したナポレオン軍が盗んだ金銀をコサック兵が奪い返して、そのうち328キロの銀を使って作ったという。
大聖堂を出て、ぶらぶら歩く。「リズポロジェニエ聖堂」がウスペンスキー大聖堂の裏にたたずむ。

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