古都京都の文化財(日本) 金閣・清水寺

そこから奥の院に上がって撮影スポット。40年前と変わらぬ姿で、舞台がきれいに見える。音羽の滝へ下って、飲み方に注意しながら落ちてくる水をいただき、仁王門の前までブラブラと戻って清水坂を下り始め、途中で右に折れて三年坂、二年坂、八坂の塔へ抜けていく。何度行っても同じ道をたどるのが不思議だ。

極楽浄土の中心にある金閣

金閣も人気者なのは今も昔も変わりない。池の向こうに建つ黄金色の楼閣。初めて行った時の印象が強かったのか、いつもそんな映像を見ているからか、記憶に残る。

 

1976年当時の金閣

室町幕府3代将軍足利義満が、1397年に山荘北山殿を造り、金閣3階建てで、第1層が平安時代の寝殿造、第2層が武家造、第3層が唐様と3つの建築様式になっているという。

義満がここで死去した後、夢窓国師が鹿苑寺として開山した。正しくは「鹿苑寺金閣」で、金閣寺は通称だ。仏舎利を収める舎利殿として造られた。いただいた朱印には金閣寺と書かれ「舎利殿」とあった。


池や庭園と合わせて極楽浄土を表しているという。40年前に行った時は、その名のとおり鏡湖池に金閣がきれいに映りこんで「逆さ金閣」を見られたが、2度目に行った時はさざ波が立っていた。雲が出ていたのでよくわからなかったが、40年たつと木が大きくなって背後に見えた山並みが見えなくなっているのだろうか。

金閣は国宝だった1950年に放火により焼失。三島由紀夫の小説「金閣寺」にもなった事件で、1955年に再建された。今はこの建物自体としては国宝ではないが、姿かたちを見ると「宝」であることには変わりない。

創建時より輝きを増す

第3層に加え、焼失前にはなかった第2層にも金箔を張ったという。創建時に第2層に張ってあったかはわからないが、より豪華になったのは確かだ。
1986年から行われた昭和の大改修の時には、さらに金箔を厚くして約20キロ使用したという。黄金色が以前より輝いているように見えたのは、光の加減だけではなさそうだ。

世界遺産登録は特別名勝・特別史跡の庭園を持つ鹿苑寺全体なので、金閣も無事世界遺産に含まれた。屋根の上に乗る金色の鳳凰像も印象深い。ぐるっと金閣の周りを1周した。金閣のきらびやかな姿に圧倒されるが、庭園を散策し、そこに点在する夕佳亭、不動堂などのたたずまいも見逃せない。

 

1994年登録

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