タージ・マハル(インド)

アーグラー~タージ・マハル正門~庭園~タージ・マハル~迎賓館~モスク

世界一「高価な」墓がインドにある。「タージ・マハル」の名前をご存知の方は多いだろう。2016年、行ってみた。
地球温暖化の中で、インドも年々暑くなっているそう。それでも乾季に当たる冬、気候は安定する。
デリーから新しくできたという高速道路で2時間ほど。前日着いたアーグラー(アグラ)という街の翌早朝の気温は12度ぐらいで、昼間は22、23度ぐらいになるという。
「夏は40度以上になります。冬になるとデリーを含めてこのあたりでは朝に霧がでます。列車は何時間も遅れる」と、ガイド。確かに、もやっている。
早朝にアーグラー郊外を見に行って、タージ・マハルに着いたのは午前9時半ごろ。おかげでもやはほとんど消え、晴天になっていた。

正門からのぞくタージ・マハルの不思議

車を降りてから10分ほど歩いて入口へ。東京ディズニーランドの人気アトラクション入口にある行列を区切る通路があったが、幸いすいていてほとんど並ばずに済んだ。荷物検査は男女別になっている。

西門がタージ・マハルへの入り口になる。西口を入ると、すぐに左右の人たちが「写真を撮りませんか」と寄ってくる。一緒についてきて写真を撮って売るそうで、正門のあたりまでは断っても次から次に声を掛けられるので、ご覚悟を。入場料を支払っているので必死なのだろう

左手に赤色の立派な門が見えてくる。「正門(大楼門)」で、高さ約30メートル。赤色砂岩に白い大理石で装飾が施されている。

模様のように見えるのは、白大理石に象嵌(がん)で作られたアラビア語のコーランや草花など。象嵌には宝石が使われている。この門だけでかなり圧倒される。
門の両側に八角形の塔、屋根には11個の白い小さなドームが乗っかっている。「ドームは裏側にも11あります。22年かけて造ったことを表しています」とガイド。門をくぐった。向こうに目指す「墓」がある。

門に入ると、出口にはすでにタージ・マハルが大きく見えている。「よく見ててください。大きさが変わります」とガイド。

門もかなり幅があるので中で、中に入って天井を見上げたりして少しずつ進むと、その意味が分かってくる。入ったときに見えたタージ・マハルが、門内を進むとなぜか小さく見えてくる。
目の錯覚なのだろう。もう一度、入口に戻って見ながら歩いたが、確かに離れていくように見えるのが不思議だ。その効果を狙って建てたのだろうか。

均整の取れた巨大な「墓」がそびえる

目の前が開けると、広々とした庭園と水路に噴水、その向こうに真っ白なタージ・マハルが建っている。門が少し高くなっているので、庭園を少し見下ろすような感じになっている。
タージ・マハルの大きな特徴のひとつが「シンメトリー(左右対称)」。庭も正方形で真ん中に四角い池、それに向かって水路が十字に走っている。
その向こうにある霊廟もほぼ正立方体、左右の赤い建物、4本の塔(ミナレット)の形も同じになっている。まずは遠めにシンメトリーを確認する。

16世紀にインドを統一したイスラム教のムガール帝国。帝国については後に紹介するが、第5代皇帝のシャー・ジャハーンが、この白い墓を造らせた。
王妃ムムターズ・マハル(アルジュドマンド・バヌ・ベグム)の死を悲しんで、死後1年の1632年に建設を始め、22年をかけて完成した。
日本でいうと江戸時代初期の建物。ムガール帝国はもちろん、イスラム建築技術に優れていたペルシャなどから職人を呼ぶなど約2万人が動員された。
費用は定かではないが、現地のガイドブックによると3100万ルピー超を投じたという白大理石の霊廟。いまの貨幣価値(為替レート)だと約6000万円だが、当時の貨幣価値では国家財政を傾ける費用だったという。
誰が設計したかは分かっていないが、水路の両側に糸杉が一直線に並び、水路の中の噴水も真ん中に一直線。シンメトリーにこだわる理由があったのだろうか。

「これを持って、ゆっくり見に行ってきてください」。ひとしきり、タージ・マハルにまつわる説明をしたガイドから手渡されたのは、ビニール製の靴カバーだった。

「基壇を上がる時につけてください」。確かに人の墓に土足で踏み入るのはまずい。ガイドと別れ、まずは中央の池に向かう。

池も真ん中に正方形で一段高くなっている場所があり、その上からまた真正面にタージ・マハルを見られる。観光客にとっては絶好の撮影スポット。まだすいていたからいいが、真正面から撮ろうとすれば順番待ちになる。

 

タージ・マハル周辺は土足禁止

タージ・マハルの「麓」に来た。約5・5メートルの、赤砂岩、白大理石で造られた基壇の上に建っている。見上げる。

底辺は57メートル四方の四隅をカットした変形の八角形で、高さはドーム頂点まで約58メートルなので、正立方体に近い。
遠目には真っ白に見えたが、年月とともに少し変色もしているのだろうか、少し黄色がかっているように見える。左手の階段からまずは赤砂岩の基壇に上がる。
その前にここから土足禁止になるので、靴カバーを取り付けることを忘れないように。さらに階段を上ってタージ・マハルを見上げ、次に白い大理石の基壇の上、霊廟の下に立った。

細やかな細工をされた「白い壁」が、目の前に迫ってくる。
タージ・マハルの基壇の上に立った。霊廟内部にある墓への入口、ファサードは日の光を受けて輝いている。

白い大理石に施されていたのは、象嵌(がん)と彫刻。まずは象嵌。大理石の表面にアラビア語のコーランや草花の意匠で埋め込まれているのは、すべて宝石類だという。

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