セビージャの大聖堂、アルカサル、インディアス図書館(スペイン)
高さは諸説あるが、約100メートルのヒラルダの塔の上で、盾とシュロの葉で風を受けて、くるくる回っているそうだ。
鳥の形だと風見鶏になる。南~南西方向から見たが、残念ながら斜め横か背中を向けていた。たぶん北東寄りの風が吹いていたということなのだろう。
さまざまな建築様式で世界3位の巨大さ
セビージャ大聖堂は、モスクがあった跡地に建てられており、1402年に着工し、1519年に完成した。120年近くの間に、ゴシック、後期ゴシック、ルネサンスと世の中のはやりの建築様式が変わり、建物にもその影響を受けてさまざまな様式でできているという。
聖堂というと、平面図を見ると細長い形が多いが、この大聖堂は正方形に近い。イスラム様式のモスクにあった中庭を「オレンジの中庭」として残して取り込んでいるためらしい。
大きさはヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂、ロンドンのセント・ポール大聖堂に次ぐ、世界で3番目の大きさを誇る。
モスク時代の名残で、ヒラルダの塔も元々は12世紀に造られたモスクのミナレット。鐘楼を継ぎ足して、その最上部にヒラルダが設置された。セビージャ大地震(1504年)、リスボン沖大地震(1755年)でも倒れなかった。
中に入れなかったアルカサルもイスラム時代の城を改築したものだそう。グラナダのアルハンブラ宮殿を手本にイスラムの職人を呼んで造らせたという。
スペインではイスラム勢力の支配から「レコンキスタ(国土回復運動)」でイスラム勢力を追い払ったのが13世紀。イスラムの芸術・文化をすべて壊して放逐するのではなく、取り込むところは取り込むという姿勢があったようだ。
大聖堂の向かいには「インディアス図書館(Archivo de Indias)」がある。建物はルネサンス様式で1572年建てられ、商品取引所として利用していた。
1784年にカルロス3世が新大陸(南北アメリカ大陸)に関する公文書をこの建物に集めることにして、図書館になった。大航海時代の文書など資料がすべてここにあるという。
コロンブスの墓、発見
30分ほど自由に散策できる時間があったので、大聖堂を近くで見ようと、路面電車が走る通りに面した大聖堂の西側にいった。壁面はきれいな彫刻を施されている。
聖人の彫刻なのだろうか、たくさんに人物像が彫り込まれていた。
ふと見ると、人が大聖堂の中に入っていく。どこの扉かは分からないが、1つ開いているようだ。試しに行ってみた。人がいたので、入れるか聞いたら、どうぞという感じで手を振ってくれたので、中に入った。
明るいところもあるが、全体的に薄暗い。まだ正規の入場時間のだいぶ前なのだろうか。ミサか何かの行事の用意をしているような感じだった。
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