白川郷・五箇山の合掌造り集落(日本)

一番北側にある重要文化財「和田家」に行ってみた。萩町集落では最大級の合掌造りだという。確かに五箇山最大級の岩瀬家よりも大きく感じる。田んぼの中にぽつんと建っているからかもしれない。

江戸時代に名主を務め、塩硝の取引をしていたという。こちらは最後は天領だったというので、五箇山(加賀藩)はライバルだったか。

合掌造りの構造は基本的には五箇山と同じ。違いは、行ってみるとわかるのだが、五箇山は家の正面に入口がある造りがほとんどだったが、白川郷では家の横、屋根の軒下に入口がある家が多い。雪が落ちてくるので大丈夫なのだろうか。

どちらの起源が古いのかはよくわかっていないらしく、白川郷の合掌造りも江戸から明治時代にかけてのものだという。

豪雪地帯で、冬の間は家の中で養蚕をしたり、塩硝づくりをする似た境遇、生活の中で同じ形になったのだろうか。2,3階に上がると、年月を感じさせる黒光りする柱や梁がむき出し。民具や農具などの展示もしてある。

和田家を出て南に歩き、萩町集落の中に入っていく。集落には60棟の合掌造り家屋が残っており、五箇山の両集落よりも規模が大きい。

多くの合掌造りは観光利用

五箇山は谷あいにあったが、こちらはもう少し開けた土地にあるからだろうか。どちらも庄川沿いにあり、白川郷はその上流にあたる。

合掌造りの多くが民宿や飲食店、土産物店になっている。「長瀬家」や「神田家」など中心となるような大きな合掌造りもある。すべて中に入ると大変なので、休憩する、食事する、土産を買うなど、そんなタイミングで入ってみたほうがいいだろう。

台風特有の降ったりやんだりの雨だが、空気が澄んで快適だ。ちょうど稲が実る時期だったので、田んぼと合掌造りのバランスが絶妙だ。

集落最大の合掌造りは、明善寺という寺の庫裡。その前を通り、車だったので残念ながら入れなかったが「どぶろく祭りの館」を横目に通り過ぎると、白川郷のメーンストリート本通りに出た。

本通りをはさんで反対側にも合掌造りが点在する。こちらは少し小さめの家屋が密集するように小さな集落を作っている。その先に庄川にかかる「であい橋」があり、駐車場がある。

ちなみに萩町集落や本通りは駐車場はほとんどないので、こちらを利用するほうがいい。合掌造りの民家を移築した野外博物館もある。

集落の南にある丘の上に展望台がある。萩町集落を一望できるというのでいってみた。車でいけるが、徒歩でも登れるので体力がある人はどうぞ。少しかすんでいたが、合掌造りの街並みが眼下に広がる。

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