古都京都の文化財(日本) 龍安寺、仁和寺(洛西)
「作庭の謎」。白砂に15個の石を5つに固まりに分けておいた意味が分かっていない。話の詳細は他に譲るが「虎の子渡しの庭」と一般的に言われている。「七五三の庭」「心の字」「中国の五岳」「禅宗の五山」など言われているが、意味は分かっていない。
「遠近の謎」。方丈側から見て左奥に向かって少し傾いており排水の工夫をしているという。方丈右手の土塀は奥に向かって低くなっていて、奥行きを感じさせる演出がなされているという。
「土塀の謎」。石庭を囲む塀は菜種油を混ぜた土で作られ「油土塀」と呼ばれる。白砂からの照り返しの防止効果もあるといい、白砂を際立たせている。
方丈から眺めると、どこから見ても15個すべての石を見ることができないという。石の形も様々。意図的なのだろうが、意味は分からない。
修学旅行の時のパンフレットがアルバムに残っていた。「静かに座って石庭と問答してください。ただ石と砂だけをもって禅の悟りを表現し無限の教えを我々に語っています…」。見る人の思想・信条によって様々な解釈があるという。じっと見ていたら何か気づくことがあるだろうか。
方丈の一角に視覚障がい者が手で触って石庭の位置の配置や様子を知るためのミニチュアが、点字の説明板とともにあった。誰でも石庭の良さを知ることができる配慮に感心した。
悠然と立つ二王門、五重塔
龍安寺を出てきぬかけの路に戻る。さらに先に進むと、10分ほどで「仁和寺」に着く。今回は中に入らなかったが、金閣に行った時と同じ年、「京の冬の旅」開催中で「金堂」「経蔵」の特別拝観があった2009年、行ってみた。
「仁和寺にある法師…」で始まる「徒然草」の中の1話は、私の習った中学の教科書に載っていた。
仁和寺の法師が、念願かなって石清水八幡宮に行った際に、山の下にある寺社を見て帰り「長年の思いを成し遂げた。山の上に行く人がいたが何かあるのだろうか」と首をひねったという話。実は肝心の八幡宮は山の上にあり、法師は見損なってしまったのだが、そうと気づかない様子に作者の吉田兼好は「ちょっとしたことでも先導役がいたらよかったのに」と感想を書いている。
その仁和寺、「二王門」というりっぱな門をくぐって参道へ。仁和寺の正面に建つ巨大な門。高さは18.7㍍で重層、入母屋造、本瓦葺。見られなかったが、門正面の左右に阿吽の仁王像が2体、「二王像」が置かれる。
江戸時代初め、将軍徳川家光の寄進といい、同時期に建立された知恩院三門、南禅寺三門が禅宗様に対して、平安時代の伝統を引く和様で統一されているという。
参道を進み、中門をくぐって行くと右手に「五重塔」。江戸時代1644年に建立され、高さ36㍍。仁和寺のHPによると塔内部には大日如来、その周りに無量寿如来など四方仏が安置されている。
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