
アテネのアクロポリス(ギリシャ)

柱の上部、軒下部分は神殿外側全体を92枚のメトープ(浮彫の板)で飾られていた。トロイ戦争やケンタウロス族、アマゾネス族との戦いなどが描かれているといい、今もところどころに残っている。東側に回りこんだ。

順光で大理石の白い色が光って見える。東側の屋根の下の壁面、三角形の破風には、赤、青、金で彩色されたアテネの守護神アテナの生誕物語の彫刻で飾られていたとされる。今はほとんど残っていない。

修復中だった西側の破風には街の支配を争ったアテナとポセイドンの神話が描かれていたそう。街の守護神争いで、市民にオリーブの木を贈ったアテナが、大地に三叉鉾を突き刺して塩水を湧かせたポセイドンに人気投票で勝った。

神殿周囲の地面は岩が露出していて歩きにくい。156㍍の丘で吹きさらしのため、風も強く砂埃も舞っている。神殿の隣には小さな「アウグストゥス神殿」の柱が残っている。
ローマ帝国、オスマン帝国(トルコ)などの支配を受け、神殿は教会になったり、モスクになったり、攻撃を受けたり、内部で爆発があったりと、1830年に独立したギリシャという国ともども、破壊と悲劇の歴史を歩んできた。

アウグストゥスの神殿跡
女性像が頭で支える神殿
神殿の先に、ギリシャ国旗がはためく展望所でアテネの街を見下ろした後、北側に回る。

道を挟んで神殿の反対側、右手に神殿がある。「エレクティオン(Erechthion)」という、アクロポリスの丘のもう1つの見どころでもある。

エレクティオン
「カリアティードの柱廊」という少し出っ張ったところ。6人の女性像が立っている。頭で屋根を支えている珍しいデザイン。大気汚染などもあって、顔がだいぶ痛んでいる。
今立っているのは複製像で、これ以上痛まないようにオリジナルは麓の「アクロポリス博物館」に収蔵されている。あとで見に行こう。

紀元前420年に建てられた神殿で、アテナが市民に贈った聖なるオリーブの木を囲むように建てられたのだという。

エレクティオンをぐるっと1周すると、最初のパルテノン神殿の北側に出て、そこから入ってきた西側正面へと進む。このあたりにも礎石が散らばっているので、多くの建物があったのだろう。

ゆっくり回って2時間半ほど。プロピレアをくぐって、出口へ向かった。

オリジナルの遺物が収まる博物館
出口を出て左手へ、アクロポリスの丘を下る。昼過ぎでちょっとおなかがすいてきたので、ホテルの朝食の時にもらってきたクロワッサンをほおばりながら歩く。
上から見たイロド・アティコス音楽堂、その隣の共通チケットで入れるディオニソス劇場の前を通り、ディオニシウ・アレオパギトゥ通りを進んで「(新)アクロポリス博物館」に急いだ。

土曜日の13時過ぎ、結構並んでいた。30~40分ぐらいは待つかな、と覚悟して列の後ろに並ぶ。床にはめ込まれたガラスや手すり越しに下を見ると、発掘された遺跡。博物館が遺跡の上に建っている。
やはり40分ほどかかって中へ。10ユーロの単独入場チケットしかない。来る時間が分からなかったのでネットで購入しなかったが、ちょっと反省した。
斜面を上がっていくと、たぶん4階。パルテノン神殿のギャラリーになる。パルテノン神殿を再現したホールで、破風やメトープなどのオリジナルもある。

パルテノン神殿のメトープ
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