ソチカルコの古代遺跡群(メキシコ)
中でも、神官とケツァルコアトルを描いたレリーフは重要な物らしい。神官は分かるがどれが蛇なのかはよく分からなかったが。
抽象的な線がケツァルコアトルを表しているのだという。確かに蛇なので線でいいのだが、その線に埋もれるようにして、人物が描かれている。当時の人物像で貴重なのだそうだ。
階段があったので、基壇の上に登ってみた。平らで何もなかったが、かつてはここで儀式などをしたのだろうか。
カレンダー? 洞窟に差し込む光
「おもしろいところへ行こう」というのでついていく途中、両側が壁になっている細長い広場を通った。「フットボール場」だという。
真ん中に丸い穴があいた巨大な鍵穴のような石が地面に転がっている。本来はこの鍵穴、競技場の両サイドの壁に輪の部分だけが突き出て差し込んであって、その穴にボールを通す競技が行われれていたという。
マヤでは生け贄を決めるために行った競技だったと記憶しており、チチェン・イツァー遺跡にも同様の「フットボール場」があるという。栄えたのが同時期ぐらいなので、マヤから持ち込まれたのか、このあたりが原型だったのだろうか。いずれにしろ、交流があったことは確かなようだ。
岩山の下にある洞穴のような入り口に着いた。人工的につくったトンネルで、ここが「おもしろいところ」だという。
入れる時間が決まっていて、並んでいると管理人がきてカギを開けて中に入れてくれた。ちょっとした解説を聞きながら(もちろん、よく分からないが)歩いていくと、少し広いところで止まった。
上を見ると、天井が高くなっていて、穴が開いている。電気を消すと、真っ暗なトンネル内に、天井から光が差し込んで、地面を照らす。
ガイドに促されて、その光に手をかざすと、影がまっすぐ下に落ちる。実は太陽の動きを観察する「天文台」と役目を果たしている場所だという。
年に105日間は光が差し込むそうで、そのうち4日だけ、太陽がこの穴の真上に来るそう。行ったのは8月初旬だったが、数日前に真上に来た日があったそうで、まだ垂直に近い光だったらしい。これも、カレンダーの一種なのだろう。
周辺にはまだ80%以上の未発掘の遺跡があるという。メキシコ古代文明の奥深さを感じた。
この記事へのコメントはありません。