リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔(ポルトガル)
マヌエル1世は「ペッパーキング」と呼ばれた。その資金でこのジェロニモス修道院は建てられた。窓にはステンドグラスが多数ははめられていて、マヌエル1世、ガマ、修道院の名前になったマヌエル1世の守護聖人ジェロニモスらが描かれている。
また、壁面の彫刻もキリストや聖人たちが描かれている。「世界情報彫刻」と合わせて「16世紀の資料館」と呼ばれているそう。独特の建築様式を「マヌエル様式」という。ポルトガルに富をもたらしたガマの柩が教会内に安置されている。
短い時間しかなかったが、修道院の一部の教会だけでもうならされる。さらに中に行くと、中庭、それを取り囲む回廊が見所になっているという。
「残念ですが、その時間はありません」とガイド。ミサの始まる合図があったようだ。外に出て、あらためて外壁の彫刻群を眺めてみた。
大航海時代の人物目白押しのモニュメント
ジェロニモス修道院を出て、公園のようなところを抜けてテージョ川河岸に出ると、大きな塔が立っている。「発見のモニュメント」という。
エンリケ航海王子(Infante Dom Henrique)の没後500年を記念して1960年に建てられた。世界遺産にはなっていないが、ジェロニモス修道院、そしてこれから向かう「ベレンの塔(Torre de Belem)」と関わりがある。
高さ52㍍。カラベラ船という当時の最新船を手にして、ポルトガルが大航海時代に乗り出す雰囲気を現している。塔をはさんで東側、西側に16人ずつの人物像が置かれ、先頭にいるのがエンリケ王子。15世紀前半に航海者、探検家を援助し、アフリカ西海岸の航路開拓に送り出した。
大航海時代の先駆者的存在だ。航海王子といいながら、ひどい船酔いをするため、本人は船に乗らなかったという。
東側にある人物像のエンリケ王子から2番目がヴァスコ・ダ・ガマ、5番目が世界一周を成し遂げたマゼラン(ポルトガルの人だがスペインの援助で出港)、後ろから2番目が日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルと、知っている人物もいる。
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