朝鮮王陵(韓国)

目の前の陵墓や来た方向を振り返って見ると、確かにルール通りになっている。

市民の憩いの場が王陵のある公園

宣陵を降りてまた丘を登っていくと、成宗の王妃貞顕王妃陵がある。どうやら王と王妃の陵を合わせて「宣陵」と呼ぶらしい。こちらも、ルールに則って石像が配置されている。

宣陵貞顕王妃陵

このあたりは、公園になっているようで、木陰で休む人やウォーキングをする人などがいる。入場料は1000ウォン(100円ぐらい)だったから、休み時間を過ごすにはいい空間なのだろう。


森の中を歩いて、左手にまたこんもりした丘が見えてくると、開けたところに出る。公園はけっこう広い。「靖陵」の横に出た。そのまま歩いて、正面から入る。


まず紅箭門があり、石畳の道がまっすぐ伸びて、丁子閣につながっている。丁子閣の横には「碑閣」という石碑が収められた小さな建物。丁子閣の向こう正面に陵墓のある「陵寝空間」が広がっている。こちらは丁子閣から先には入れない。

500年以上荒らされなかった墓

この陵は成宗と貞顕王妃の間に生まれた第11代王中宗の墓。1506年に即位した。韓国ドラマ「チャングムの誓い」(日本版)に出てくるので名前を知っている方も多いだろう。
3人の王妃がいたが、別々の場所に祀られたので、1人だけここに眠っている。単陵なので、教科書通りの配置が見られる。


紅箭門に戻って、丘の上を見渡した。陵墓やそれを取り巻く武人、文人、動物たちの石像がきちんと残っているのが遠望できる。先に見た宣陵よりも規模は大きい。


王と王妃の墓である陵は42基ある。北朝鮮にある2基を除く40基がソウルと近郊に点在している。いくつかがまとまってあるところもあり「東九陵」「西五陵」など、電車でもいけるところも多い。
15世紀初頭から約5世紀にわたって築かれ、儒教の理念で厳格に管理されていたことで初期のものもほとんど損傷を受けず、墓荒らしにもあわず、同じ姿で残っているという。
エジプトをはじめ、墓荒らしで貴重な副葬品などが散逸するところは多い。世界的にも珍しいという。

2009年登録

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