
ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(イタリア、ヴァチカン) 広場&噴水

天使たちが見守る橋
では「自称ゴールデンルート」をスタートしよう。「サンタンジェロ橋」を渡って「ナヴォーナ広場」を目指す。この橋には、10体の天使像が欄干に立てられている。

大理石像で、バロック時代の17世紀に活躍した彫刻家、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニが製作指揮にあたったという。それぞれがイエス・キリストにかかわるものを持っているといい、十字架や磔刑で突き刺した槍などを手にしている。

かつてはサン・ピエトロ大聖堂に行くためにはこの橋しかなかったという。天使たちに見守られ、要塞に見張られて、参拝に行ったのだろう。

橋を渡って進むと、V・エマヌエーレ2世通り(C.so V.EmanueleⅡ)にあたり、左折して進む。「ながらスマホ」はしない。立ち止まって地図と通りや建物の名前を確かめながらナヴォーナ広場に向かう。
道の両側にも面白そうなところがあってもなるべく先に進んだが、誘惑もある。途中、朝市で有名な「カンポ・デ・フィオーリ広場」(Piazza Campo de Fiori)に立ち寄った。青空市場ふうで野菜など生鮮食料品や日用品の店が軒を並べている。
「花畑」という名前がついているが、元は処刑場。コペルニクスの地動説を支持して、1600年にここで処刑された哲学者ジョルダーノ・ブルーノの像が立っている。

カンチェッリア宮、マッシモ宮、ブラスキ宮など宮殿が固まってあるところに着くと「ナヴォーナ広場」の入口。その前に、休憩を兼ねて道の反対側に立派な教会があったので入ってみた。「サンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会」で内部の装飾はきれいだったが、世界遺産登録はされていない。

サンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会の内部
ナヴォーナ広場の噴水の見事さ
教会の前の道を行き、左の路地を入っていくと、目の前が開ける。「ナヴォーナ広場」(Piazza Navona)に着いた。細長い陸上競技のトラックのような形をしている。古代ローマ時代はドミティアヌス帝の競技場で今より窪んでおり、戦車競技や水を張って模擬海戦などが行われていた。その廃墟につくられ、17世紀に整えられたという。

広場の南から入ることになる。3つの噴水があるが、最初に見るのが「ムーア人の噴水」。北アフリカのベルベル人(ムーア人)がイルカと戦う様子をベルニーニがデザインしたという。

ムーア人が笛のようなものを持っていてそこから水が出ている。おもしろいデザインだが、意味がよくわからなかった。小さな像はトリトンだという。
広場中央にそびえているオベリスクは、26年前に来た時の記憶にも残っている。高くて見にくいが、てっぺんには「天使と悪魔」に出てきたオリーブの枝をくわえる鳩の像がある。

それを囲む大噴水が「四大河の噴水」。これもベルニーニ作で、世界の4つの大河、ガンジス、ナイル、ドナウ、ラプラタを人物で表している。なぜこの4つなのかはわからない。バロック彫刻の天才だったベルニーニだけに、見事な彫刻になっている。
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四大河の噴水 ラプラタ(左)とドナウ(右)
頭に布をかぶったナイル、布を被って左手を大きく上げているラプラタ、どっしりと座るガンジス、教会を振り返るように両手を挙げるドナウと、それぞれ動きだしそうだが、ポーズの意味は不明だ。
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四大河の噴水 ガンジス(左)とナイル(右)
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