故宮(中国)

また目の前にドーンとした建物。「乾清宮」という。皇帝の生活の場で寝所でもあった。これだけ大きいと、どこで皇帝が寝ているのかも、よく分からなかっただろう。

ここには「後三宮」がある。乾清宮の後ろにちょっと小さい「交泰殿」があり、その向こうに「坤寧宮」が、前三殿に続いて南北一直線に並んでいる。

交泰殿は明代では皇后の誕生祝いの場だったが、清代には玉璽などの貴重品の保管場所になっていたという。坤寧宮は皇后の生活の場だが、のちに神を祀る場所になっていたそうだ。

交泰殿の前でガイドブックの地図を見ると、この三宮の両側(東西)には、他の人たちの生活の場が広がり、左側(西側)には清代に皇帝が政務を執り行った「養心殿」や皇后、后らが住んでいた「西六宮」はじめ、多くの建物がある。

右側(東側)には同様に「東六宮」や「奉先殿」があり、さらにその外側に「皇極殿」など「外東宮」がある。建物のいわれなどは他に譲るが、歴史的な建物が軒を並べている。

ここまで1時間半近くかかったので、残り時間が少ない。「九龍壁」という龍の彫刻がある壁が出てきていないことに気づいたので、地図で位置を探した。メーンの前・後三宮にあるのではなく、内廷の南東角、一番外側の皇極殿の前にある。保和殿を出て右に進めばよかったようだ。

故宮巡りは時間と地図が必携

戻ろうと、東六宮の方へでたが、このあたり、壁に囲まれた道がたくさんあり、建物もたくさんあり、門は時間的な問題なのか閉まってところも多く、どこに何があるのか、自分がどの道にいるか、分からなくなった。

何とか、九龍壁があるはずの門の前に来たが、これも時間の問題なのか、門を間違ったのか、閉まっていた。午後4時半ごろになっていた。

一番奥まで行く時間どころか、閉門時間にも間に合わなくなる可能性もあるので、やむなく急ぎ足で坤寧宮に引き返した。残念。

場内のいたるところにある彫刻なども、なんとなく見てきたが、できればじっくり見ていきたいところだ。

 

坤寧門を出て、紫禁城の一番奥には「御花園」がある。皇族が花をめで、遊んだり休息を取ったりした場所だという。中国歴史ドラマなどを見ると、皇宮暮らしは精神的にきつかったと思われるので、ホッと一息つく空間だったのだろう。

庭園には小さな石の山「堆秀山」もある。山登りをしたそうだ。運動不足の解消だろうか。

御花園・堆秀山

ここでほぼタイムアップ。紫禁城の一番北にある「神武門」から外に出た。全部で9000室はあるという建物群、とても2時間ちょっとでは見ることができなかった。次に来る機会があれば1日空けてじっくりとみよう。

第2次大戦後、中華民国政府が台湾に移った際に故宮から持ち出された宝物の一部は台湾の故宮博物院に収められている。台湾の博物院も見ているが、2カ所に分散しているとはいえ、明・清500年に渡る宝物はどちらにもたっぷりと残っている。

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