エレファンタ石窟群(インド)
ムンバイ~インド門~連絡船~エレファンタ島
その石窟寺院へ行くとヒンドゥ教の最高神、シヴァ神(Siva)が踊っているそうだ。象の彫刻を見た遺跡の発見者が名前をつけた島に2016年、行ってみた。
ムンバイ(Mumbai)のフェリー乗り場に、大きな門が建っている。「インド門(Gateway of India)」という1924年に造られた高さ26㍍の大きな門。海から上がってすぐのところに立っている。当時、インドを統治していた英国のジョージ5世とメアリー王妃の上陸を記念して建てたという。
ムンバイから「エレファンタ島(Elephanta Island)」へいくツアーを申し込んだ。インド門前で待ち合わせたガイドからフェリーの乗船チケットをもらい「往復ですからなくさないでください」と言われた。
ムンバイの沖合約10㌔のところにあるエレファンタ島までは、1時間15分ほど。到着すると、船着場から長い桟橋が伸びている。桟橋の真ん中をミニトレインが客車を引いて走っているぐらいだから、500㍍ぐらいはあったのだろうか。ぶらぶら歩いた。
桟橋を歩き切ると「ここから129段登ります」と今度は緩やかな階段と坂道。両側に土産物や食べ物の店が並んでいるので飽きないが、その分時間はかかった。フェリーを降りて25分ほどで、エレファンタの石窟寺院の入口に着く。
悪魔を踏みつぶして踊るシヴァ
入口の両側にまず彫像がある。「ここはシヴァのために造られた寺院です。ヴィシェヌ、ブラフマー、パールヴァティーなどの神もいますが、主役はシヴァです」とガイド。シヴァ神の物語で埋まった寺院だという。
入ると右手に早くも「踊るシヴァ神」の像。8本ある腕のうち、1本しか完全に残っておらず、足もないので、どんな踊りだったのかはよく分からないが、確かに踊っているようだ。
「ナッタラージャといいます。足元には悪魔がいて、悪魔を踏み殺している。ですから、シヴァが踊りをやめるとよくないことが起こるといわれています」とガイド。シヴァ神は「破壊と創造神」といわれている。「いいことを守るために悪いことを破壊するんです」ということらしい。
向かい側には「マハー・ヨギー・シヴァ」の像。ハスの上にヨガの瞑想のポーズのシヴァ神。これも腕はなくなっている。上にブラフマー神、下にヴィシェヌ神やガネーシャ神などヒンドゥの神々が囲んでいる。
ポルトガル人の射撃目標になった石窟
この石窟寺院は岩山を掘って造られている。ヒンドゥの修行僧によって、5~8世紀に造られ、7つの石窟寺院があるという。今来ているのが7世紀に造られた第1窟。未完成なものや行くのが難しいところが多く、第1窟が見学場所となる。
忘れ去られていた遺跡を、ポルトガル人が1535年に見つけた。その時、象の彫刻があったことから、島の名前になったという。象というのは、ヒンドゥの人気者、ガネーシャのことだろうか。
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