エレファンタ石窟群(インド)
シヴァの喜怒哀楽を描くシヴァ・ファースト
入口から見て右のテラスに進む。左柱には「カルナーヤ・スンダラ・ムルティ」という、シヴァ神とパールヴァティー神の結婚式の様子が描かれている。「手をつないで、火の周りを7回回ります」という結婚式だそうだ。
右柱には「アンダカスラ・ヴァーダ・ムルティ」という「怒れるシヴァ神」。それまでどちらかというと穏健なシヴァ神だったが「悪魔との戦争で剣と皿を持ているのは、退治した悪魔の血を落とさないためです。落とすと悪魔がまた出てくる」という。
額に第3の目がある。「これが開くとすべてを焼き尽くしてしまいます。会社員が『部長が第3の目を開けた』というと、かなり怒っているということです」と教えてくれた。
このテラスの前に中央神殿「シヴァ神殿」がある。中にはシヴァ神の象徴の「リンガ」が置かれている。ヒンドゥ教ではリンガはエネルギーの源。「自分や家族に重大な問題があると中に入って祈っていました。昔は神殿の中に女性は入れなかった」という。今は四方に出入り口があって、自由に入れる。
とにかく「シヴァ・ファースト」の石窟寺院。喜怒哀楽、さまざまなシヴァ神を見せてくれる。
シヴァ神を引き立たせる細かい彫刻がたくさんあったはずなのだが、射撃の的にされて失われてしまったところも多いのが惜しまれる。大航海時代のポルトガル人の暴挙がなければ、もっと美しかったはずなのだが…。
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