
ルンビニ(ネパール)
カトマンズ~チトワン~ルンビニ
敬虔な仏教徒ではないが、仏陀(ブッダ、Buddha、釈迦)には興味を引かれる。インド、ネパールには4大聖地があり、そのうち唯一ネパールにあるブッダ生誕の地は、はっきりとした証拠とともに残されている。2011年、行ってみた。
ネパールの首都カトマンズ(Kathmandu)から車で出発。「高速道路を行くので速いです」とガイドはいうが、トリブヴァン(Tribhevan Hwy)ハイウエーといっても多くは片道1車線の日本でいえば普通の道路だ。
ただ、ドライバーがうまい。どんどん追い越しながら、80㌔ぐらいのスピードで飛ばすので、高速道路といえるかも。世界遺産のチトワンという自然公園に1泊後、ルンビニ(Lumbini)に向かった。
ブッダが生まれた場所に石が置いてある
休憩を入れながら約4時間、仏塔を載せたような形の門をくぐるとルンビニの街に入る。昼下がり、聖園地区と呼ばれる、ブッダ誕生にまつわる遺跡へ入った。

入口でまず靴も靴下も脱ぐ。裸足で入っていくと、正面に「マーヤー・デヴィー(Maya devi)聖堂」という、ブッダの生母の名前のついた建物がある。
建物自体は2003年に建てられたものだが、ここで見つかった紀元前3~7世紀ごろとみられる聖堂の基壇の遺構をすっぽりと覆って保護するための施設でもある。

ブッダについて詳しくは他の譲るとして、シャカ(シャーキア)国の王妃マーヤー(摩耶夫人)がお産のためコーリヤ国の実家に帰る途中、コーサラ国カピラヴァストゥ郊外のルンビニで休みを取った際、木に手をかけたときに右脇からブッダが誕生した。
ブッダは生まれてすぐに7歩歩き、右手で天、左手で地を指差して「天上天下、唯我独尊」と言葉を発した。シッダールタ(Siddhartha)と名づけれられたが、母は1週間後になくなり、母の妹に育てられた。ほとんど故手塚治虫氏の漫画からの知識だが、聖誕の地なので、ここまでに。

聖堂に入る。10月だったが、インド国境に近く昼間は暑い。中は蒸し暑く、撮影は禁止だった。

レンガの遺構の上に通路があり、聖堂のほぼ中央に「マークストーン」という、ブッダが生まれた場所を示す石がある。絵葉書があったので買ってきた。

マークストーンの絵葉書
「この場所とわかったのは、その周りに建物を建てて祀った跡があったから。ルンビニのことが中国に伝わっていて、それをもとに発掘したら、その通りの遺構が発見されたそうです」とガイドは言った。
生まれ方は別として、聖誕の地であるのは間違いなさそうだ。ブッダ生誕を描いた石像は、イスラム教徒によって表面を削り取られたという。これも絵葉書でしか紹介できない。
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釈迦聖誕像(右)と、レプリカの絵葉書
裸足で芝生を歩いて見学
外に出て、聖堂を時計回りに回る。裸足で、芝生を歩いた。久しぶりの感触。芝生のところどころに、レンガの遺構が散らばっている。これも伝承によって発掘されたものらしい。

聖堂の裏手にはマーヤーが沐浴したというプスカリニ池(復元されたもの)がある。

ほとりには2本の大きな菩提樹がある。僧が何人も木の下に座っていて、一緒に写真をとると200ルピーのお布施をする。

仏教徒の巡礼地で、日本人は見なかったが、インドとスリランカからの参詣者が多数来ていた。ちなみに、ブッダの4大聖地は他に、ブッダガヤ(悟りの地)、サールナート(初説法の地)、クシナガル(入滅の地)でいずれもインドにある。
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