富岡製糸場と絹産業遺産群(日本)


養蚕技術の向上で、優秀な蚕種(さんしゅ=蚕の卵)もとれるようになった。田島弥平はこの蚕種を貿易品にした。
1879年(明12)に米国からフランス、イタリアに直貿易に行った時に「1匹の蚕は卵を500~700個ぐらい産むのですが、今のA4ほどの和紙に2万個を産ませて、それを5万枚持っていったそうです。1枚の和紙は最高値で5円以上したこともあったそうです」(解説員)。
当時の5円の価値はピンとこないが、1885年(明18)に1円銀貨が発行されており、比較対象によって違うが、今の価値でだいたい2万円ぐらいという。5円だと10万円、5万枚では5000万円。この価値もピンとこないが、蚕の卵は大きな利益をもたらしたことが確かだろう。

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