
アテネのアクロポリス(ギリシャ)
神殿の外側や内側を飾っていたものだが、並べられた中に空きがあったり、明らかに複製とわかるものも多い。
19世紀に駐オスマントルコの大使だった英国のエルギン卿が、パルテノン神殿から遺物を数多く持ち出して、というよりは正規な手続きは経ていないので、盗んでいったというのが正しい。大英博物館に売り払ったというから、たちが悪い。「エルギン・マーブル」として展示されている。

ギリシャは返還を要求しているのは当然だが、大英博物館は返還していない。こういう事例は大きな博物館ほど多いが、やはり地元にあってこその文化財だろう。パルテノン神殿を見る前後にそうした遺産を見られれば、何倍も楽しめる。
当時は「破壊」から守るという意図があったのかもしれないが、このアクロポリス博物館をみると「管理が不安」などというのはもはや通用しない。ストーンヘンジを他国に持って行かれていたら、という想像力が大英博物館にはないようだ。

パルテノン神殿の東、西側の破風にあった彫刻の復元模型があった。残っているものだけでもオリジナルが集まれば…とやはり思う。

パルテノン神殿西側破風の模型

パルテノン神殿東側破風の模型
2階に降りる。アルカイック期というパルテノン神殿の前にあった古神殿の遺物が展示されているが、多くは撮影禁止のエリアになっている。
そして、いよいよエレクティオンにあった女性像のオリジナル。6体あったのだが、5体が飾られている。

2500年ほど前のもので、だいぶ痛んではいる。ただ風雨にあまりさらされなかったからだろうか、像の後ろ側、束ねた髪などは繊細な彫刻が残っている。

あと1体は、大英博物館にある。これもエルギン卿に盗まれた。6体そろう日は来るのだろうか。

夜には、アテネ市内の多くのホテル屋上からライトアップしたパルテノン神殿を見られる。屋上のバーに入ってギリシャの国民酒「ウゾ(Ouzo)」を飲みながら、ボーッと見ていたら、なぜか花火が上がった。

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