
紀伊山地の霊場と参詣道(日本) 熊野三山と熊野古道

天皇も滞在した「五体王子」
さて、熊野古道へ。路線バスに乗り、滝尻で下車。富田川の橋を渡ると右手に「熊野古道館」、左手に「滝尻王子」がある。古道館で熊野古道を少し勉強してから、滝尻王子へ。

熊野古道に点在する「九十九王子」の中でも格式が違う「五体王子」の1つで、1200年には後鳥羽上皇が歌会を開いたという。ここから本宮に向かって熊野の霊域が始まる地でもあった。
脇の山道を登ると、平将門を追討した藤原秀郷にまつわる「乳岩」「胎内くぐり」などの岩がある。けっこう山道で、富田川を含めてこのあたりは熊野古道でも難所の1つだった。

胎内くぐり
また路線バスに乗って、今度は「稲葉根王子」へ。路線バスは頻繁にはないので、見て回る時間を考慮して調べておいた方がいい。
こちらも五体王子に1つ。1201年に後鳥羽上皇に随行した藤原定家の日記に記されているという。五体王子は他に藤代、切目、発心門各王子で5社とされている。
両王子とも社はあるが、往事の隆盛は感じられず、日本中どこにでもあるような「小さな神社」の風情だった。

路線バスで南紀白浜空港にでた。熊野古道は歩くための道なので、アクセスは悪い。一部しか見られなかったが、それでも見て回るには時間がかかった。
総延長は約1000㌔、世界遺産登録された部分でも300㌔以上あるという。すべてを見たいという方は「歩く」が主になるので覚悟を。
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