リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔(ポルトガル)


ガマの航海では約150人で出発して、帰国したのは55人だったというから、航海が命懸けだったことは確か。中でもビタミン不足による壊血病が死因の多くを占めていたという。


内部にも入れるのだが、日曜日で長い行列ができている。午後からシントラという街に行く予定があったので、外観をぐるっと眺めることにした。
ジェロニモス修道院同様のマヌエル様式で、壁面の装飾にはロープの彫刻がたくさん描かれている。


3階が王の間、2階が要塞、そして1階は水牢になっている。テージョ川の河口で潮の干満があるため、それを利用した牢獄だった。大砲が水面から少し上に設置されるように銃眼が開いており、いわゆる水平射撃が可能になっているという。


リスボンは1755年、リスボン大地震に見舞われた。マグニチュード9というから巨大地震で、15㍍の津波にも襲われ、街の9割の建物が崩壊。人口の5分の1が亡くなったという。
海に近いこのベレン地区は津波の直撃を受けたが、ジェロニモス修道院とベレンの塔は、損壊したものの生き延びた。大航海時代に大西洋に乗り出した航海者の強い意志と魂が宿っているのだろうか。

1983年登録

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