朝鮮王陵(韓国)
ソウル駅~宣陵駅~宣陵~靖陵
李氏朝鮮王朝の陵墓40基が世界遺産に登録されている。ソウル市内にもあるというので2014年、行ってみた。
ソウル駅から地下鉄マップを見ながら「宣陵駅」を目指した。ソウルの地下鉄は表示や駅ごとのマークが分かりやすい。。1984年にソウル五輪事前取材で行ったときに、新しくできた地下鉄を取材したことを思い出した。30年たって路線もかなり増えている。
無事降りられたのだが、地上に出たらビル街に囲まれてどっちに行ったものか。徒歩5分、ガイドブックの地図を頼りに歩き始め、勘が良かったのか、意外と早く見つかった。都会の真ん中、ぽっかりと公園のようになった一角が「宣陵 靖陵」という王陵群だった。
土を盛った墓に石像が整然と並ぶ
事務所のようなところがあって、日本語のパンフレットをもらい、鳥居のような門をくぐっていくと、こんもりとした、円墳のような陵が見えてくる。
丘を上っていくと、上は平らになっている。右手に石で土留めをしたもう1つこんもりした土盛りがある。これが陵墓なのだろう。
墓の前は広場になっていて、人物、動物の石像が並んでいる。宣陵は、朝鮮王朝第9代王の成宗の陵墓。韓国ドラマにもよく登場するらしい。
パンフレットによると、1469年に13歳で即位し、税制度を改めたり、多くの書籍を編纂させたりと、業績があった王の1人。ソウルにある5古宮1つ、昌慶宮を造った。
墓づくりには一定のルールがある
朝鮮王陵は、日本でいうと時代は違うが天皇陵といえばイメージがわきやすいだろう。天皇陵にも「前方後円墳」とか「円墳」とか、造り方があるように、朝鮮王陵にも一定の「ルール」があるということが、パンフレットに記載されていた。
陵墓の上から見て、まず最初にくぐった門は「紅箭門」という。神聖な区域がここから始まる。そこから石を敷き詰めた参道が伸びている。
参道はセンターラインで分けられ、左は神が通る神道で少し高くなっていて、右は王が通る御道になっている。
「丁子閣」という祭祀を行う建物に通じている。周囲にいくつか建物があり、ここまでを「祭享空間」という。陵墓の前の広場にあった石像。配置にも規則がある。
下階に武人石と石馬が左右に1体ずつ、中階に文人石と石馬が同じく置かれ、真ん中に長明塔が立っている。
上階には陵墓の前に「魂遊石」などが置かれ、石虎と石羊が陵墓の左右に2体ずつ。屏風石、地台石、満石、裳石、欄干石などの名前がついた石で周りを囲んだ土盛りは「陵寝(陵上)」といい、ここに埋葬されている。
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