バイカル湖(ロシア)
イルクーツク~リストビャンカ~バイカル湖、イルクーツク駅~シベリア鉄道~ポート・バイカル駅
「シベリアのパリ」から行く「シベリアの真珠」。世界最古、世界最深、世界一の透明度を誇る湖が、眼下にひろがっている。2014年、行ってみた。
大韓航空機で「バイカル湖」( Baikal、озеро Байкал)に近い街、イルクーツク(Irkutsk、Иркутск)には未明につく。ホームステイを受け入れてくれたデニスが迎えに来てくれ、車に案内されて「日本車に乗っています」と笑った。
数日後「リストヴャンカに行きましょう」と、デニス。「リストヴャンカ(Listvyanka、 Листвя́нка)」はバイカル湖のほとりにある港町。イルクーツクからは70㌔ぐらいだ。ちょうど日曜日でデニスの両親ほか親戚など車3台に食料を積み込んで出発。途中の酒屋? で量り売りのビールやウオッカを仕入れる。
どうやらバイカル湖のほとりでバーベューパーティーらしい。市街地を出ると、白樺や松が生える原野という、故郷の北海道と似たような風景が広がる。
途中から大きな川に沿って走る。バイカル湖から唯一流れ出ている「アンガラ川(Angara、Ангара)」。イルクーツクを流れ、シベリアの大河エニセイ川に合流する。休憩を兼ねて川岸の駐車場へ。かなりの水量だ。
深くどこまでも青い湖
「ホテル・バイカル」の標識から道を左に折れて、山道を登っていく。どこへ行くかはお任せなので気にしなかったが、止まったのはスキー場だった。
「何があるのだろう」と思ったが「トイレに行っておいたほうがいい」と、みんながスキーロッジに入っていくのについていった。乗ったのは2人乗りのスキーリフト。札幌のスキー場でよく乗った。上に上がって坂道を少し下りたところが、バイカル湖を見下ろす展望台だった。
真っ青な湖面が、眼下に広がる。これがバイカル湖だ。太陽光の加減で、遠くの湖面は光っているが、近くに見える水は深い青。バイカル湖からアンガラ川が流れ出るあたりが見える。
山の斜面の下に見える街はリストヴャンカ、対岸の街は「ポート・バイカル」という港街。英語? リストヴャンカとは渡し舟が行き来している。展望台の手すりにはなぜか、色とりどりの布が巻かれていた。何かのおまじないなのだろう。
展望台から少し出たところに岩場がある。岩に座って、しばしたたずむ。湖の対岸には山がみえる。バイカル湖を囲む山々は2000㍍級。少し霞んでいるが、かなり遠くにあるように見える。
バイカル湖は世界地図を開いてもすぐ目に付く「三日月型」の湖で、ほぼ南北に長さ636㌔、幅は平均48㌔、最大幅80㌔ほど。アンガラ川の流出口は南側。見えているのは細い部分ではあるが、それでも対岸が遠そうだ。
面積3万1500平方㌔で琵琶湖の約50倍、といっても想像がつかない。淡水湖としては世界一の大きさを誇る。
サケの仲間はここを海だと思っている?
展望台を降りて、リストヴャンカの街に入る。日曜日だけあって、車も人も多い。ここには水族館のあるバイカル湖博物館や第2次大戦終戦後にシベリアに抑留されこの地で亡くなった日本人の墓地などがある。
バイカル湖でとれる「オウモリ(オームリ)」という大きいものは50㌢近い魚は、白身だがサケ科で、バイカル湖に注ぐ川を遡上し産卵してまた湖に戻ってくるというから、バイカル湖がサケにとっての海のような存在になっているようだ。干物などで市場で売っている。
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